2006年05月08日

ヤセウツボ (1) 隠れて優雅な生活送ってます

今回はヤセウツボの紹介というよりは、彼らの生活について興味がわいたので、まずはそこから載せてみます。
 
ヤセウツボ (瘠靫)
ハマウツボ科ハマウツボ属
 
私が出会ったのは‥千葉県 5月 海辺(砂地)
千葉県評価:一般有害
ヤセウツボ全体.jpg
1.出会った環境
 海岸の浜辺ににょっきり飛び出していましたよ(^_^)。なんでしょう?茎には緑の葉もついていなし‥。あっ周りに緑の葉が散らばっています。これが葉なの?でも調べると、この葉は『ハマニガナ(浜苦菜) キク科』でした。花はまたいつか紹介しますね。さて、そうなるとこいつはどうやって生活しているんでしょう。こいつではかわいそうでした(^_^)、『ヤセウツボ』と言います。名まえの由来は次回でね♪
 
2.寄生植物とは
 図鑑『野に咲く花』によると、「マメ科のシロツメクサなどを中心に、キク科やセリ科にも寄生する。」とありました。そうなんです。『ヤセウツボ』は寄生植物だったんです。だから緑ではないのね。
 寄生植物って何でしょう。わからないので、インターネットで検索をしたら、下記のサイトにこのように書かれてありました。
 サイトURL(トップページ):http://www2u.biglobe.ne.jp/~gln/home01.htm
 「他の緑色植物から栄養分を得て生活をしている植物は寄生植物と呼ばれていますが,その養分の摂り方は様々です。光合成をする能力を完全になくして,水や栄養塩類だけでなく,有機物まで他の植物の作り出したものに頼って生活している植物は,「完全寄生植物」と呼ばれています。」
 もうひとつ「半寄生植物」というのもあるのですが、これはまたブログに登場したときに。と言うことで、『ヤセウツボ』は葉緑素がないので、光合成をしないわけです。その代わり、栄養をほかの植物から得ているんですね。ちょっと意外だったのは、水も!他から得ているとは!水ぐらい自分で何とかしなよ!っと思うのですが、栄養をそのままもらっていたら、水もいらないんだね。すご〜い。
 
3.調べてみよう〜(~0~)
 実際のところ、『寄生』と言っても、どうやってんの?全然イメージがわかないのでした。そこで、「調べてみよ〜(~0~)」のコーナーです。『ヤセウツボ』には申し訳なかったのですが、砂を掘って犬みました。
ヤセウツボ全体21.jpg

 すると、地下にも結構長く茎が伸びていました。10cmくらいかな。その割には根は貧弱です。実際のところ、『ヤセウツボ』の周りの土を慎重に除けていくと、最後はコテ!っと倒れてしまいました。昔子供のころ、砂場で山の上に棒を立てて、砂を取っていき、棒を倒した人が負け!と言う遊びをしていましたが、それを思い出しました(^^♪。
 それと、地下に『ヤセウツボ』の新しい株を見つけました。この子はまだ地上には顔を出していなかったので、まぶしい思いをさせてしまいました。
 一方周りに出ていた『ハマニガナ』ですが、これも掘ってみてびっくり!白い地下茎が縦横無尽に伸びていました。今日最初の画像では、葉がポツポツと砂地に開いているのですが、それはみんな地下茎でつながっているんです。そして、葉も地下茎から長い茎を伸ばしてようやく地上に現れているのがわかりました。
 さて、『ヤセウツボ』の根と『ハマニガナ』の地下茎や根がなんとなくからんでいるのが気になります。少し拡大して見てみましょう。
ヤセウツボ根拡大1.jpg
 根の部分を拡大しました。『ハマニガナ』の根は地下茎からひょろっと出ている細いものです。よくよく見ると、『ヤセウツボ』がからんでいるのは『ハマニガナ』の茎ではなくて根の部分でした。よ〜く見るとで囲った部分、お互いの根が絡み合っています。さらに拡大してみましょう。
ヤセウツボ根拡大2.jpg
 あっ発見!『ヤセウツボ』の根がそこだけ太くなって『ハマニガナ』の根に吸盤のようにくっついています!おもしろいことに、くっついているのは『ヤセウツボ』の根の先端ではないのです。
ヤセウツボ根拡大2.jpg
 さて、近くにいた『ヤセウツボ』の子供はどうでしょうか。やっぱりこちらも『ハマニガナ』の根に『ヤセウツボ』がからんでいました。
ヤセウツボ新株2.jpg
 あっと思ったら、くっついていたのが取れてしまいました。実はちょっと動かした程度で、根を吸着させていた部分は離れてしまいます。すると、『ヤセウツボ』がくっついていた『ハマニガナ』の根の部分からは白い液が!やっぱり栄養を吸っていたんですね!わかりました?それにしても、『ハマニガナ』の太い地下茎ではなく、根のほうにきちんと寄生しているのはおもしろいです。地下茎ではやっぱりうまくいかないのかな。
 『ハマニガナ』はキク科なので、上に書いた図鑑の記述は正しかったです。
 
4.とりあえずまとめ
 『完全寄生植物』ってなんかすごいですね。根も寄生相手を探すためと自分が倒れないように支えるためだけだし、葉もいらないし、すべての栄養は花のためだけに使うのですよ。超!効率的と言うか、ある意味理想的な生活なのかもしれません。でもだったら『ヤセウツボ』君ももう少し花を魅力的にしてもいいかな。。大きなお世話でした。
 どうやって進化したんでしょうね。もともと植物なのですから、葉緑素を持って自分で光合成していたはずです。それが何かの偶然で、おいしいことを見つけたんでしょうね。ああこれ楽だなあ思ったのかもしれません。でもそれを自分だけでは終わらせずに子供たちに伝えてきてさらにその方向へどんどん進化していく‥。なんか進化っておもしろいなあ。一度方向付けされてしまうと、その方向へより適応性があがるように進化する。元には戻れないんです。
 それにしても、植物は動けないので、子供たちはどうやって寄生の相手を見つけるんでしょう。やっぱり動けるチャンスは『種』でしょうね。これも見たことないですが、種が小さくて飛んでくのかな。偶然性がかなりありますけど。砂浜では『ハマニガナ』などみんな地下茎や根をどんどん横に広げるような感じなので、どこに種が落ちても、大丈夫なのかもしれません。水道と食事の宅配も完備!された、『ヤセウツボ』にとってはとってもよい場所を見つけましたね!
 
5.感想
 実はこんなに簡単に根のくっついている部分が取れてしまうと思っていなかったので、最初根の部分を掘っていたら、全然くっついていなくておかしいなあって思っていました。そこでより慎重に根を掘ってみてようやくくっついている部分がわかりました。『ハマニガナ』から離れてしまった『ヤセウツボ』はどうなるのかなあ‥。ちょっと心配ですが、とりあえず、一緒にまた埋め戻しました。。
 もともと同じ仲間の『ハマウツボ』を撮影した後で、寄生植物であることに気づき、どうやっているのかを見たかったのですが、『ハマウツボ』は千葉県評価では最重要保護!なので、こんなことはできないとあきらめました。そしたら次の日に、『ヤセウツボ』に出会い、こちらは県評価で『一般有害』!なので、少しぐらいは許してねっということで、調べさせてもらいました。
 砂浜で、波打ち際では潮干狩り、遠く離れたこの場所で、潮干狩りじゃなくって植物の根っこ観察。似ている動作ですが、全然違うことやってました〜(-_-;)。
 
 『ヤセウツボ』および『ハマウツボ』(←クリック)の本来の紹介は次回に続きます。

posted by ふらり at 05:33| 千葉 ☔| Comment(10) | TrackBack(0) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。