2006年07月05日

ヒロハノカワラサイコ (1) 他の仲間より少し遅れて咲きました。

 またちょっと間が空いてしまいました。。今頃梅雨入りです。。季節に追いつく意味も含めて、梅雨の花はあまり深く考えずに、数多く紹介したいと思います。というのは、今年の梅雨は初めて出会った花が多かったのです。できればすべて紹介したいと思います。
 
まず最初は‥
ヒロハノカワラサイコ (広葉の川原柴胡)
バラ科キジムシロ属

私が出会ったのは‥千葉県 6月 荒地、砂地(海岸近く)
千葉県評価:重要保護
ヒロハノカワラサイコ1.jpg
1.名まえの由来
 図鑑「野に咲く花」には、「サイコ(柴胡)」はミシマサイコの漢名。川原に多く、太い根茎がミシマサイコに似ていることから。と書かれていました。そしてカワラサイコに比べて葉が広いから「ヒロハノ(広葉の)」です。
 私はミシマサイコには出会ったことがありません。リンク集で紹介しているmotoさんのホームページに紹介されていました。アドレスは下記です。
http://motos.fc2web.com/hana/8kimisimasaiko.html
 これを見る限り、『ヒロハノカワラサイコ』とは似てもにつかぬ感じです。ミシマサイコはセリ科でした。根が漢方薬として使われるそうです。そこで私が感心するのは、ミシマサイコとは花も葉も株の大きさも全く似ていない『ヒロハノカワラサイコ』が、掘ってみないとわからない根茎が似ているという理由で『サイコ』という名まえをつけられたことなんです。そもそも野草の和名ってどうやってつけられるんでしょう。恐らくいろいろな起源があるのだと思いますが、ご存知の方は教えてください。とりあえず、ここからは私の想像で、お茶を濁します(^_^;)。
−前提条件−
 ミシマサイコもしくは漢方薬としてのサイコ(柴胡)は既に知られており、その上で(ヒロハノ)カワラサイコは名づけられたとします。
(想像1)
 『(ヒロハノ)カワラサイコ』の見た目が薬草であるミシマサイコに似ているので、根を見たら似ていた。
 →見た目は似てませ〜ん(+_+)
(想像2)
 植物学者が花、葉のみならず根茎まで観察したら、ミシマサイコに似ていると思い、名づけた。
 →帰化植物ではないので、昔からの名まえでしょうから、これもちょっと(+_+)。それにもしこれなら、根茎の形で名まえをつけずに別の名まえにすると思う。
(想像3)
 昔は薬草は貴重で、手当たり次第野草の効能が試されていった。その中で、『(ヒロハノ)カワラサイコ』も身近な野草だったので、薬用かどうか試されたときに、根茎がミシマサイコに似ていることからサイコがついた。
 →これだと、『(ヒロハノ)カワラサイコ』の根茎に薬用がないと、それっきり試すこともなく、サイコという名まえがつかないような気がします。でなければイヌセンブリのように、役に立たないという意味でイヌがつくような気もします。
 ということで、『(ヒロハノ)カワラサイコ』の根茎も薬用があるのかなと思いはじめました。
 そこで、イー薬草・ドット・コムというサイトでカワラサイコを検索してみました。すると、下記のアドレスの「伊吹山薬用植物目録(280種類)」という中に「カワラサイコ」はやはり、根が解熱、通経薬としての効能があることが書かれていました。効能としては、ミシマサイコと似ていました。但し『ヒロハノカワラサイコ』は載っていませんでした。
http://www.e-yakusou.com/yakusou/ibuki.htm
 ということで、とりあえずの回答は‥
 カワラサイコの根は、漢方薬として有名なサイコに形や効能が似ており、サイコが採れない地域では薬草として使用されていた。そして川原に生えているのでカワラサイコと名づけられた。そして葉が広いので『ヒロハノカワラサイコ』となった。
 正しいでしょうか。どなたか正解を教えてくださいm(__)m。ところで、『ヒロハノカワラサイコ』の根は見たのかというと、観察していません。それは、今回初めて出会ったのですが、出会う前から会ってみたいなあって思っていて、千葉県植物誌を見たら、「重要保護!」と書いてあったのを覚えていたので、根を掘るのはやめました。
 あれれ〜(*_*)、今回はさらさら行くはずなのに、いきなり長くなってしまった。。
 
2.出会った環境
 図鑑によると日当たりのよい川原や砂地で出会うことができるそうですが、私が出会ったのは、川など全くない場所でした。海辺近くの高台の荒地でした。荒地と書いたのは、上の画像でも見られるように、砂と赤土が混じったような地面で高い草も繁茂していないような場所という意味です。他には芝、シロツメクサなどが一緒に生えていました。特にシロツメクサは一緒に咲いていました。でも私が最初に気づいたのは、その場所から少し離れた、背の低い笹など草が繁茂しているような場所で、歩いてそろそろ車に戻ろうと思っていたときでした。黄色い花が草の中に光っていました。花が一厘だけだったので、

「変な場所に今頃ヘビイチゴが咲いているんだ。」
と思いました。その場所では花が少なかったので、せっかくだから撮影しようと思い、ササなどをどけてよく見たら、葉が違う!かわいい葉!
「カワラサイコだ!」
夢中になって撮影した後、1株だけということもないだろうと思って、探してみたら、結構たくさん咲いているのに気づいたというわけです。

 先に書きましたが、高台ということもあり、以前から川はなかったと思いますが、どこからやってきたのでしょうね。
 
 ということで、さらさら更新のはずが次回へ(←クリック)〜といつものパターンになってしまいました。

posted by ふらり at 23:52| 千葉 ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | 梅雨の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月06日

ヒロハノカワラサイコ (2) 他の仲間より少し遅れて咲きました。

この記事は続きです。最初の記事はこちら(←クリック)です。
今日の主役も‥
ヒロハノカワラサイコ (広葉の川原柴胡)
バラ科キジムシロ属

私が出会ったのは‥千葉県 6月 荒地、砂地(海辺近く)
千葉県評価:重要保護
ヒロハノカワラサイコ1.jpg
3.茎について
 根元から四方八方に茎を伸ばしているのがわかります。茎は同じ仲間のキジムシロと同じように地を這うように伸びています。そして、茎には白い綿毛がたくさんついていました。なんかかわいいね(*^_^*)。
 
4.葉について
 上の画像でも葉が鳥の羽のように見えますね。下の画像に更に拡大したものを示しました。葉は小葉に分かれ、奇数です。下の画像の葉は15枚でした。ひとつひとつの葉も鋸のように裂けており、かわいいです。図鑑によると小葉の枚数は7〜15枚です。
ヒロハノカワラサイコ2.jpg
 さて、他のキジムシロ属の花と比べてみましょう。こちら(←クリック)を見てくださいね。小葉はミツバツチグリは3枚、オヘビイチゴは5枚、キジムシロは5〜9枚、そして、ヒロハノカワラサイコは7〜15枚と徐々に増えていますね。ひとつひとつの小葉のぎざぎざも他のミツバツチグリなどの葉にもありますが、ヒロハノカワラサイコのぎざぎざは葉が細くなった分も含めてよく目立ちます。な〜んかそれがぱっぱっぱっとかわいいのでした(*^_^*)。
ヒロハノカワラサイコ3.jpg
5.花について
 花は一見して同じキジムシロ属の花と全く同じです。黄色い花びら(花弁)は5枚。下に裏側から見た画像を示しますが、萼片、副萼片とも5枚です。萼片と副萼片は同じ形ですが、大きさが少し違います。花を見ただけでは、他とは全く見極めができません。
ヒロハノカワラサイコ4.jpg
 
6.花いろいろ
 いつもながら、いつものシリーズです〜。
ヒロハノカワラサイコ5.jpg
 上の画像は花びら(花弁)4枚です。萼片も4枚ですね。
ヒロハノカワラサイコ6.jpg
 上の画像は花びら(花弁)6枚です。でも萼片は5枚?
ヒロハノカワラサイコ7.jpg
 裏から見てみました。副萼片は6枚ですが、萼片が1枚足りませんでした。

 あ〜長くなってしまいました。ということで、もう一回(←クリック)つづいてしまいます〜。
posted by ふらり at 23:59| 千葉 ☔| Comment(4) | TrackBack(0) | 梅雨の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月07日

ヒロハノカワラサイコ (3) ちょいと遅れて咲きはじめました!

この記事は続きです。最初の記事はこちら(→クリック)です。
 
なぜか3回目になってしまいましたが、今回も主役は‥
ヒロハノカワラサイコ (広葉の川原柴胡)
バラ科キジムシロ属
 
私が出会ったのは‥千葉県 6月 荒地、砂地(海辺近く)
千葉県評価:重要保護

ヒロハノカワラサイコ10.jpg
 今日は私の想像の世界へ。花がそっくりな同じキジムシロ属のミツバツチグリ、キジムシロ、オヘビイチゴ、そしてヘビイチゴ属のヘビイチゴ、ヤブヘビイチゴと比べて、この『ヒロハノカワラサイコ』は咲く時期が少し遅いのです。なぜでしょう。
 ミツバツチグリ、キジムシロの記事はこちら(←クリック)です。
 オヘビイチゴの記事はこちら(←クリック)です。
 ヘビイチゴの記事はこちら(←クリック)です。
 ヤブヘビイチゴの記事はこちら(←クリック)です。
 さて、『ヒロハノカワラサイコ』以外の花は3〜5月に咲きます。一番遅いオヘビイチゴも4月末には咲き始めます。一方『ヒロハノカワラサイコ』は早くても6月に入ってからです。もちろん、すべて千葉県内の花ですから、ほとんどが同じような気候です。『ヒロハノカワラサイコ』だけが気温の低い場所にいるわけではありません。何しろ千葉県には高い山はありませんからね(^_^;)。
 この疑問に本当の答えは出ないのかもしれません。他の例として、ノアザミだけがなぜ5月に咲き、他のアザミは夏から秋に咲くのかなんて全くわかりません。でも、『ヒロハノカワラサイコ』については、なぜ6月かはわかりませんが、6月に咲くことと、生きている環境がなるほどうまくできていると思えてきたので、この記事を書いてみることにしました。
 
 『ヒロハノカワラサイコ』をはじめとして、キジムシロ属とヘビイチゴ属の野草は花がそっくりということのほかに、茎が地を這って伸びるという共通点があります。つまり背が低いわけです。
 キジムシロやヘビイチゴが咲いていた4月に戻って考えてみます。どんな場所で出会ったでしょうか。日の当たる草地や水田のあぜや林縁などでした。4月ごろはまだ背の高い草はありませんので、背を高く伸ばす必要もなく、横に広がって陣地を稼いで葉を広げた方がたくさんの花を咲かせることができます。だからキジムシロ、なるほど。
 さて、それでは今その場所はどうなっているでしょう。草地や林縁では背が高いイネ科やセイタカアワダチソウなどの草がぼうぼうに生えてしまって、背の低い花は陽の光も届かないし、花を咲かせても全く目立ちません。実際キジムシロの果実を見たくて5月に見に行ったら、草がぼうぼうで、どこに咲いていたかわからなくなってしまいました。
 一方、田のあぜなど水田回りに咲いていたオヘビイチゴやヘビイチゴはどうなっているでしょう。そう、田植えの時期には農家の方が草刈りをしてしまいます。田植えは大体ゴールデンウィーク以降ですので、そのころ生えていた草はいっせいに刈られてしまうのです。すると、6月に咲こうとする『ヒロハノカワラサイコ』にとっては、他の仲間が咲いていた場所は、大変不都合であることがわかります。
 つまり、キジムシロやヘビイチゴなどの春に咲く花は、他のたくさんの春の花と同じように、背の高い草が伸びる前に一斉に花を咲かせて葉を広げて陽の光を浴びて成長するという生き方を選択しているわけです。
 一方で『ヒロハノカワラサイコ』はどうでしょう。最初の記事(←クリック)や上の画像でもわかりますように、6月でも背の高い草はおらず、陽の光を十分に浴びる環境に咲いています。だから6月ごろにのんびり花を咲かせていても大丈夫なのでした。これは恐らく、土が砂地や石などが多く、痩せていることと関係があると思われます。つまり6月ごろ花を咲かせる『ヒロハノカワラサイコ』はその時期でも草が繁茂しないような環境に生きているというわけです。考えてみてなるほど〜と思ってしまいました。
 さて、最初の疑問に戻って、6月に花を咲かせる理由は何でしょう。誰もが感じているかもしれないのですが、6月にはいると新しい花が減るような気がします。春の花が一段落して、夏の花もまだ少し。つまり成長の時期なんです。雨も多いですしね。その時期に花を咲かせるのはなんか理由があるのかな。雨が多いということは、ネジバナのように横を向いている花はまだしも、『ヒロハノカワラサイコ』のように上を向いて咲く花にとっては、雨が当たるので不利なような気がします。雨が降ると虫の活動も控えめのような気もするし。一方、晴れないとは言え、気温は春よりも高く(蒸し暑く(@_@))、虫の数自体は多いと思います。すると、花の数が少なければ、競争率が低いということにもなるのかもしれません。つまり春に比べて、6月はいいこともあれば悪いこともあるようです。その辺をどう考えるのかは花それぞれなのだと思いますので、『ヒロハノカワラサイコ』君は6月の方がいいや!って思ったのかな。それとも最初はみんな6月ごろ咲いていたのが、他の花は春の方が有利だということで、咲く時期が早まったのかな。
 この辺で、想像の世界から戻りましょう。こういうことを考えていると、植物はそれぞれ、環境に合った生き方を選択しているんだなあって、少し感じることができました。
ヒロハノカワラサイコ8.jpg
6.花の後は
 上の画像は花が散った後です。ヘビイチゴやオヘビイチゴで見られたように、花が開いていたときに一緒に開いていた萼片は閉じてきます。花が終わったらいったん店じまいというわけです。
ヒロハノカワラサイコ9.jpg
 上の画像では、果実が熟し始めたので、また萼片が開き始めています。『ヒロハノカワラサイコ』はヘビイチゴの仲間ではないので、赤い実は実りません。ということで、味見はしませんでした(*^。^*)。
 
 おしまいです。今回は想像の世界で遊んでしまいました。もっときちんとした理由があるということをご存知の方はぜひ教えてください。
posted by ふらり at 23:34| 千葉 🌁| Comment(11) | TrackBack(0) | 梅雨の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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