2006年04月27日

アツバスミレ (2) 冬の過ごし方

この記事は続きです。
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今回は地味にすみれの冬のすごし方を覗いてみました。『アツバスミレ』は3月に花が咲いているのに出会ったのですが、その下見に1月に同じ場所に出かけていました。そのときの画像を紹介します。
アツバスミレ冬全体.jpg
このように葉はいっぱいつけていますが、少し色が褪せてきていました。また実をたくさんつけていました。真ん中に立っているのが、実です。また柄が倒れて下を向いて開いているのは3つに裂けている実です。
アツバスミレ冬種葉.jpg
実が裂けているのをよく見ると(左上)、種がいっぱい詰まっていました!また、葉の柄には翼がついていたので、同じ『アツバスミレ』であることがわかりました。こうやって見ると、3月に出会った『アツバスミレ』は新しい葉を生やし始めていたので、これらの色あせた葉は枯れてしまったのでしょう。
 3月に花が咲いて、翌年の1月に実がなっているなんて変な感じですが、実はすみれは花を何度もつけるそうなんです。えっ春だけではないの?と思うのですが、それはきれいに開いた花(開放花)で、それ以外に閉鎖花という、閉じて開かない花を一年中いずれかの時期につけているそうです。何のためかは、いろいろな本に書かれていますので、ここでは簡単に。
 花の目的はなんでしょう。受粉して種(子孫)を作ることです。受粉とは雄しべの花粉が雌しべにくっついて起こるものなのですが、植物は自分ではくっつけられないので、風や虫の力を利用します。すみれは虫を利用して花に来る虫(蜂など)の体に花粉をくっつけ、それを別の花の雌しべに運ばせるようにしています。虫が花に来てもらうために、花に蜜を出したり、花を色鮮やかにして、「ここにはおいしい蜜があるよ!」というサインを出しています。そうなんです。花の蜜や鮮やかな色や形はすみれの趣味ではなく、虫に来てもらうためだったのですね。
 ただこの受粉は虫任せなので、もしかしたら虫が来てくれなくて受粉できないかもしれません。すると、種を作ることができなくなり子孫が絶えてしまい、困ったことになります。さあどうしましょう。
 いや待てよ、すみれは同じ花に雄しべと雌しべが両方ついているので、別に虫に運んでもらわなくても、自分の花で受粉してしまえばいいじゃない!という考えもありますね。自分で受粉するなら、虫に来てもらう必要もないので、鮮やかな花を咲かせる必要もありません。そこで、開かない花(閉鎖花)を別に作って、確実に種を残そうとしているそうなのです。考えましたね。
 だったら、いつも自分で受粉してしまえばいいとも思うのですが、そうすると、常に自分のクローンになってしまうので、多様性が生まれず、環境の変化などに耐えられない可能性があるため、遺伝の多様性を持つために他の花との受粉が必要となるわけでした。わかりました?図がないのでわかりづらいですね。
 参考になる図書をひとつあげておきます。
 田中 肇著 「花に秘められたなぞを解くために―花生態学入門」 農村文化社
 私は図書館で借りて読みました(^。^;)。
 閉鎖花をつけて確実に子孫を残すところはすみれの強さなのでしょう。さすが、かわいいだけじゃない!
 おそらく、1月についている実は秋ごろに咲いた閉鎖花の実なのでしょう。ただ確かめていないので、もしかしたら、このすみれは秋にもきれいな花を咲かせているかもしれません!
アツバスミレ冬タ.jpg
さて、最後にもうひとつ。これも実なのですが、ちょっと変なんです。何がというと、右上に花柄を拡大した画像がありますが、ひとつの花柄に3つも実がついているのです。ということは、ひとつの花柄に3つの花がついていたことになります。あれ?すみれってひとつの花柄にはひとつの花だけがつきますよね。私が載せているすみれの画像(ヒナスミレマキノスミレツヤスミレアツバスミレ)も、みんなそうなっています。『サワオグルマ』のように、たくさんの花をつけることはありません。じゃあ何ででしょうね。よくわからないので、ネットの画像掲示板に投稿したところ、春に咲く開いた花では見られませんが、閉鎖花では時々あることなのだそうです。花も開かないけど、柄もまとめてしまって節約節約!と言ったところでしょうか。
おしまい!
『アツバスミレ』もう一回つづきます。onjoさんからのリクエストに答えなければ〜。続きはこちら(←クリック)


posted by ふらり at 06:08| 千葉 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | すみれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
冬の最中にもキク科の植物のようにロゼットになって枯れずに居るというのは驚きですね。スミレもやるな〜、という感じですね。
Posted by onjo at 2006年04月27日 06:38
日当たりのよい場所だからかもしれません。秋ごろ見に行くかどうか‥。どうしましょうかね〜。
Posted by ふらり at 2006年04月27日 19:57
今晩は〜
スミレいいですよね〜
今庭に咲いているのは、タチツボスミレです。スミレにこんなにも種類が有るののですね、道路の割れ目に良く咲いている葉の細長いブーケのように咲いているスミレが良いですね〜
Posted by おとと at 2006年04月27日 23:55
おととさん、ありがとうございます。タチツボスミレも日本!を代表するすみれのひとつだと思います。すみれって意外と人懐こい花で、おととさんが書かれたように、街中でも出会うことができます。なんかうれしいですね。
Posted by ふらり at 2006年04月28日 21:10
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