2006年05月11日

ウマノアシガタ (1) 春の陽光に輝く花

ウマノアシガタ (馬の脚形)/別名: キンポウゲ (金鳳花)
キンポウゲ科キンポウゲ属

私が出会ったのは‥千葉県 4、5月 草地、林縁

千葉県評価:一般保護
ウマノアシガタ全体.jpg
 千葉県のキンポウゲの仲間は早春から『コセリバオウレン』『スハマソウ』『アズマイチゲ』『イチリンソウ』『ニリンソウ』、そして『タガラシ』『キツネノボタン』『ケキツネノボタン』と途切れることなく咲いてきますが、この『ウマノアシガタ』で春の花はひと段落でしょうか。早春の花といえば『フクジュソウ』や『セツブンソウ』もありますが、『フクジュソウ』はまだ千葉県では見たことがなく、『セツブンソウ』は自生していません。いずれも秩父で堪能しました!え、まだ忘れている花が‥あっそうそう『ヒメウズ』を忘れていました〜。どれも紹介したかったのですが、季節の流れは速いもので、記事が追いつかずに取り合えず、今回は『ウマノアシガタ』です。
 
1.名まえの由来

 この花ほど別名『キンポウゲ』の方が有名な花はないのでしょうか。なにしろ、科の名まえも属の名まえも「キンポウゲ科キンポウゲ属」なのですから!野の花に興味を持ち出した方なら誰でも、この花を見て『キンポウゲ』だ!と思って、新しく買った図鑑を見ると、「あれ?キンポウゲって名まえじゃないの?ウマノアシガタって何?」と感じるのではないでしょうか。私もそうでした。さて、『ウマノアシガタ』とはどんな意味?

 図鑑「野に咲く花」によると、根生葉を馬のひづめに見立てたといわれるが、あまり似ていないと書いてあります。図鑑にあまり似てないと書かれるなんて‥。下に葉の画像を載せました。確かにどこが馬のひづめなの。。でも名づけたからにはどこか似ていたんですよね、と思い調べてみました。すると、馬の脚の形は「馬蹄形」と言い、アクセサリーなどでもあると思いますが、Uの字ですよね。今は馬の蹄(ひづめ)には蹄鉄という鉄を打ちつけるのですが、日本では蹄鉄が広まったのは明治時代になってからだそうです。それだけ鉄が貴重だったということなのでしょうね。もともと蹄鉄の役目は馬の蹄(ひづめ)を保護することです。蹄鉄を使う前はどうしていたかというと、江戸時代の人が履いていたものを思い浮かべると「わらじ」です。なので、馬も同じようにわらで編んだ「藁沓」を履いていたそうなのです。「藁沓」の画像は下記のサイトでどうぞ。
 URL:http://www1.ocn.ne.jp/~hsimai/etc/waraji.html
ということで、ここまでたどり着きましたが、う〜ん、下の右側の葉の形は似ていないこともないけど。。まあ春の草地に咲く花の中では、葉が比較的大きいので目立ったのかな。名づけた人の心がよくわかりませんでした〜。
 別名の『キンポウゲ』についてはまた次回に。
ウマノアシガタ葉.jpg
2.葉について
 葉の画像を載せてしまったので、先に。手のひら状に3〜5裂し、それぞれがさらに浅く裂けます。左側が一般的な気もしますが、右のように裂けかたが小さい葉もありました。茎の上にいくほど、葉の裂け方が深くなると思います。
 
3.出会った環境
 明るい草地で出会いました。と言っても林が奥に控えているような場所です。ひとつ例を言いますと、房総風土記の丘などはたくさん出会うことができます。このような草地には、地面のすぐ近くには『キジムシロ』や『タンポポ』など同じ黄色い花が咲いていますが、『ウマノアシガタ』は背が高いので、風に揺られて花がきらきら輝いて、きれいな風景です。
 
4.花について
 下の画像に咲きはじめと裏側を載せました。花びら(花弁)は5枚が基本です。と言っても気まぐれキンポウゲ科なので、花弁の枚数は結構いろいろあります。花弁は春の陽の光を浴びて、光っていました。これは花弁にでんぷん粒を含み、表面にクチクラがあるからだそうです。クチクラとは表層の膜でこれが厚いと見た目、てかてかして見えます。また水分などを通さないので、乾燥に耐えるために発達する場合も多い。思い出していただきました?『ツヤスミレ』(←クリック)の記事で「艶」は乾燥に耐えるためだと書きましたが、このクチクラが発達しているからなのですね。また植物以外にも、昆虫や甲殻類の外表皮にもなっています。カブトムシやエビなどの「殻」がつやつやしているのも表面がこのクチクラで覆われているからでした。
 さて、『ウマノアシガタ』の場合、花の表面にクチクラがあるのですが、何のためでしょうね。他には同じキンポウゲ属の『キツネノボタン』『ケキツネノボタン』『タガラシ』などの花にもあります。理由はわかりませんでした。おわかりになる方、ぜひ教えてくださ〜いm(__)m。と言うことで、ここではいい加減!なへ理屈を。。
 @水をはじくため。上を向いている花は雨に打たれやすいです。そこで、水分をはじくために発達した。
 A春の野原は花もいっぱい!ライバルが多いのです。そこで、虫へのアピールとして光り輝くようにした。
 
 さて、長くなってしまいましたが、下の右の画像を見ると、花の裏側は光り輝いていないのでした。つまりクチクラが発達しているのは、花の表側だけのようです。このことからも@Aどちらも言えますが、どうでしょうね。
ウマノアシガタ花1.jpg
 右上の画像より萼片は画像では4枚しか見えませんが、蕾に隠れてしまっていますが、5枚あります。同じキンポウゲ科でも『スハマソウ』『アズマイチゲ』『イチリンソウ』『ニリンソウ』は花弁がなく花びらに見えるのは萼片でしたが、この『ウマノアシガタ』は花弁も萼片もきちんとあり区別できました。萼片の表面は細かい毛が見え、蕾にも細かい毛が見えるので、蕾の表面は萼片ということがわかります。
 左上の画像は、咲きはじめですが、咲き始めは花の中心は雄しべに覆われていて、雌しべは見えません。
ウマノアシガタ花2.jpg
 もう少し時間が経ったと思われる画像です。雄しべがかなり開いてきました。すると花の中心に黄緑の雌しべが見えてきました。また右上の画像より、花びら(花弁)のつけ根に見えるのが蜜腺だそうで、ここから蜜を出しているそうです。
ウマノアシガタ花3.jpg
 さらに時が経ち、花も終わりかけです。雌しべがかなり大きくなってきました。そして右上は花びら(花弁)はすでに散ってしまい、雄しべも若干残っているだけ、雌しべが大きく残っています。雌しべの先端が白く見えるのは花粉がついたからでしょうか。
 
 『ウマノアシガタ』は気まぐれキンポウゲの仲間なので、花びらの枚数が結構いい加減で、いろいろな枚数の花を見つけるのも楽しみの一つです。それは次回(←クリック)!

posted by ふらり at 22:10| 千葉 🌁| Comment(4) | TrackBack(1) | 春爛漫の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
馬用の藁沓というのは、馬草鞋(うまわらじ)の事ですよね。それにしてもこの名前を花に付けた人は、実際に馬草鞋が使われていた当時の人なのでしょうね。この葉っぱを見て「あっ、これは馬草鞋を履いた馬の足跡にそっくりだ!」と言うわけですからね。
Posted by onjo at 2006年05月12日 07:38
onjoさん、ありがとうございます。馬草鞋の足跡を見たことがないのでよくわからないけど、そう見えたんでしょうね。人の暮らしは変わっても、花の名まえはいつまでも変わらない。
Posted by ふらり at 2006年05月12日 20:58
ウマノアシガタ、可愛いお花ですよね、去年初めて認識しました。野草を見るようになったのは、去年の春からなんです。山林を歩いて初めてこんなにも可愛いお花があるんだな〜と、その時はこんなに艶の有るお花だとも知りませんでした。先日林の中で左の葉と同じのを取ってきたのですが、どうやらウマノアシガタのようですね、
Posted by おとと at 2006年05月13日 22:28
おととさん、ありがとうございます。
ウマノアシガタ、つまりキンポウゲはかわいい花ですよね。私は3年前に初めて気づきました。結構身近にたくさん咲いてくれるので、うれしいです。
Posted by ふらり at 2006年05月13日 23:19
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