2006年06月01日

いちごの盛り合わせデザートはいかが?

 先週末、房総の林道を歩きました。雨上がりの林道沿いには疲れを癒してくれるデザートが用意されていました。
さて、収穫は?
いちご集合1.jpg
家まで持ち帰ってきてしまいました〜。大きさの比較のために、真ん中に1円玉を置いてみました。大きさの違いがわかります?これは『カザグルマ』でコメントいただいたmotoさんのアイディアです。ありがとうございましたm(__)m。大きさも違いますが、形も色も結構違いますね。。

 

1.何の実?
それぞれのいちごたちはなんていう名まえなんでしょう?わかります?それでは1個ずつ見てみましょう。
画像はサムネイルなので、クリックすると大きく見ることができます。

ヘビイチゴタ比較1.jpg まずは一番小さい実です。あれ?見たことありますね!種のようなものが表面にくっついていて、その種のような粒々の表面はでこぼこしています。
 皆さんも思い出しました?
さて正解は‥
ヘビイチゴ花茎分類.jpg  そうです。今まで、延々登場してきた『ヘビイチゴ』でした。『ヘビイチゴ』は田んぼのあぜの他にも、やや湿った比較的明るい林縁にも咲いています。『ヘビイチゴ』の最初の記事はこちら(←クリック)です。
 
ヤブヘビイチゴタ比較.jpg さて、次はBです。Aの『ヘビイチゴ』に色形はよく似ていますが、大きさはこちらのほうがかなり大きいですね。そして、赤い実の表面についている粒々の表面はつるつるです。ということは?この実もここで紹介しましたね。
ヤブヘビイチゴ全体2.jpg そうです。『ヘビイチゴ』に似ていて、大きいといったら『ヤブヘビイチゴ』ですね。『ヤブヘビイチゴ』は房総の林道沿いでは普通に見られました。『ヤブヘビイチゴ』の記事はこちら(←クリック)です。

 
クサイチゴタ比較1.jpg Cの実です。A,Bとはだいぶ印象が違いますね。こちらは比較的大きな粒がいっぱい集まってできている感じです。皆さんもよく知っているかもしれないラズベリー(最近私はラズベリージャム食べてます!)にも似ていますね。
 このCも、林道などを歩くとよく出会いますよ。さて何の実?
クサイチゴタ全体1.jpg こちらは上の実の全体です。両隣の緑の実はまだ熟していないものです。葉は草というよりは木の葉かな?
クサイチゴ花.jpg これは今年の4月に出会った花です。比較的大きな白い花です。このお花、出会ったことがある方も多いと思います。正解は?
 『クサイチゴ(草苺)』でした。高さも低いので、野草かなと思ったら、低木だそうです。キイチゴ(木苺)の仲間です。結構まとまって咲いているのに毎春出会います。
 
クサイチゴタ比較2.jpg 次はDです。Cに似ていますが、一つ一つの粒が大きいです。その代わり、粒の数は少ないのかな。
クサイチゴ花2.jpg この実のすぐ上には散りかけですが、花が残っていました。おや?Cの『クサイチゴ』と同じような花ですね。家に帰って、図鑑『樹に咲く花 離弁花1』を見ると、やっぱり『クサイチゴ』でした〜。どうやら実のでき方で、Cになったり、Dになったりするようです。
 
モミジイチゴタ比較1.jpg さて、Eの実です。比較的大きな粒々が集まってできている感じはC,Dの『クサイチゴ』と同じですが、色がオレンジ色でほかと違います。実も結構たわわ!という感じです。
モミジイチゴタ全体.jpg 実の全体です。実は枝にいくつもついていました。枝の下側についています。手前に見える葉の形もほかのとは違って特徴がありますね。この実のつき方と葉の形で「あれかな?」とお気づきになった方もいらっしゃるでしょう。
 さてなんという名まえかな?
モミジイチゴ花.jpg 花の画像です。今年の4月に山の尾根の日当たりのよい場所で出会いました。これは枝を持ち上げて撮影しています。そう、『モミジイチゴ(紅葉苺)』でした。名まえは、見ればわかるように、葉の形がモミジに似ているからですね。枝をすっと伸ばすとその下側に花をつけます。花は結構地味なのです。こちらの画像では、まだ葉が開きはじめという感じですが、上の先週末であった葉は大きく開いていました。『モミジイチゴ』も低木で『クサイチゴ』と同じキイチゴ(木苺)属です。
 
いちご買った.jpg 最後のFの実は、皆さんおわかりのように〜、お店で買ってきた『いちご!』でした〜(^。^;)。上の画像はFだけは、はめ込みです。ただし同じ1円玉と一緒に撮影して、画像はめ込みの際に大きさを合わせたので、実の大きさは比較できるようにしています。
 今日のお題にどうしても登場してもらうため、同じ日の夜に急きょスーパーで買ってきました。ところが、品種は書いていないので、単なる『いちご』!です。
 『シロバナノヘビイチゴ』『ノウゴウイチゴ』と同じようにオランダイチゴ属です。これらの実についてはこちら(←クリック)の記事の下のほうに紹介しています。


2.実の中身とお味は(~0~)?
 それぞれの実の中身はどうなっているんでしょう。『ヘビイチゴ』の記事で、自分の手で割ってみた画像を載せましたが、ここではやっぱりデザート!なので、そんなことはいたしません。ちゃ〜んと包丁で二つに切ってみました。
いちごタ断面.jpg
 まずはFのい・ち・ご!私は丸ごと食べてしまうことが多いので、上のように二つに割ったものはあまり見ていないなあと気づきました。さて、いちごの赤は表層近くだけで、中は白いのですね。ぎっしり詰まっています。いちごの下が少しぬれていますが、やっぱりジューシーです。断面中央には特に白い2本の筋がうっすら見えます。それと、表面には痩果がついていますが、その痩果までうっすら白い筋が中央の2本筋から枝分かれして続いているのが見えます。実ができていく中での意味がここにあると思いますが、今日のお題とそれるのでまだ調べていません。

 さて、お味はもちろん甘いです〜。


 さて、このFとの比較でほかのものを見ていきましょう。
ヘビイチゴタ断面1.jpg
 まず、Aの『ヘビイチゴ』です。左上は下側を撮影しています。そして右上はたてに二つに割ったものです。意外?にもFのいちごとよく似ていました。実がぎっしりだし中が白いことなど似ていますね。

 さて、お味は?‥やっぱり無味でした〜。結局今年はヘビイチゴの実を2つも食べてしまった‥(-_-#)。
 

ヤブヘビイチゴタ断面.jpg
 Bの『ヤブヘビイチゴ』を割ってみました。ずいぶんジューシーでした。断面はAの『ヘビイチゴ』にそっくりですが、Fのいちごにもやっぱり似ていいますね。

ヤブヘビイチゴタ断面2.jpg
 こちらは同じく『ヤブヘビイチゴ』の実を手で割ってみたものです。『ヘビイチゴ』の記事(←クリック)に、この果実は海綿質なので、ふにゃふにゃしていると書きましたが、『ヤブヘビイチゴ』も同じでした。つまり、上の包丁で二つに切ったものでは中は実が詰まっているのがわかったのですが、それは海綿質なのでふにゃふにゃであるところが、Fのいちご(オランダイチゴ属)とは違うところでした。
 さて、味見の時間です!すると、意外にもかすか〜に甘みを感じました〜!(^^)! 『ヘビイチゴ』よりも実が大きい分だけ、ジューシーで甘みを感じることができたのかな?ということは‥
ヤブヘビイチゴタ食べかけ.jpg 道を注意深く歩いていると、なんと食べかけ!の『ヤブヘビイチゴ』の果実を見つけましたよ!もちろん、私ではありませ〜ん。どんな動物?鳥?虫?がついばんだんでしょうね。実がある程度大きくて、赤で目立つし、ジューシーなので、食べてみたのかな?近くにもうひとつありましたので、何かが食べていることは確かです!でもどちらも食べ残し。。私は完食したのになあ。。。(画像はサムネイルです)


クサイチゴタ断面.jpg

 次はキイチゴ(木苺)属の『クサイチゴ』です。なんか名まえが矛盾していますね(^_^)。上の画像のようにキイチゴ属の果実はイクラのような粒々が集まってできています。これを核果と呼ぶそうです。右上に、核果をつぶしてみた画像を載せましたが、核果の中には種子がひとつ。果肉はとてもジューシーです。ということは、このイクラのような核果ひとつひとつが果実なんですね。つまり核果一つ一つが花の雌しべ一本一本に対応することになりますね。
 そこで、キイチゴ属を代表して『クサイチゴ』の花から果実へを見てみましょう。(横道にそれた〜)画像はサムネイルなので、クリックすると大きくなります。
クサイチゴ花3.jpg 『クサイチゴ』の花です。3月に林道沿いの林縁で出会いました。
雄しべと雌しべはたくさんあります。花の大きさは違いますが、雌しべの集まりがふくらんでいるところは、『ヘビイチゴ』『ヤブヘビイチゴ』や『シロバナノヘビイチゴ』などにもよく似ています。
クサイチゴ花後.jpg 花びら(花弁)が散ってしまいました。この画像からは先週末(5月)の画像です。雄しべも横に開いて取れそうです。
クサイチゴ果タ青1.jpg 赤く熟す前の果実です。小さな核果がたくさん集まっているのがわかります。これが赤く熟すと核果がもっと大きくなって、上のCのような果実になるのでしょうね。
クサイチゴ果タ青2.jpg こちらは、核果があまりついていません。これはつまりたくさんの雌しべのうち、受粉できたのが少なかったということです。受粉できなかった雌しべが茶色くなって枯れているのが見えます。このような果実が熟すとDのようになるのでしょう。
−まとめ−
●キイチゴ属はたくさんの雌しべが一つ一つ受粉して核果を作る。
●受粉した雌しべの数によって核果の数も決まる。

 ということで、ようやく味見で〜す。なななんとあま〜いのでした。ジューシーな分だけ、Fのいちごよりも甘いんです!!それになんとなくさわやかな味で、後味もすっきり。甘くて後味もよいなんて最高のデザートです。これがただなんて!
 
モミジイチゴタ断面.jpg

 さて、最後のEの『モミジイチゴ』です。こちらもキイチゴ属なので、核果が集まってできており、核果の中には種が一つ入っています。左上の画像を見ると、果実の基部から白い糸のようなものが一つ一つの核果まで伸びている様子が見えます。
 味で〜す。甘さは『クサイチゴ』には負けますが、甘いです。加えてかすかな甘酸っぱさと色が似ているせいか、柑橘系の味を感じました。
 
3.まとめ
 いちごの味6番勝負!結果は?
 一番甘いのは‥『クサイチゴ』でした〜。なあんと売っているいちごに勝ってしまいました。やっぱりジューシーであることが甘さの秘訣であると思います。これでonjoさんの質問にも少しは答えられました?
 この季節、林道は花はやや少なくなりましたが、このようなスイーツが食べ放題なのでした(^o^)。
 
4.おわりに
 いつもは週末の一日、ブログを書く日にしていたのですが、先週末は天気が悪いわりには二日とも出かけてしまったため、ブログまで手が回らず、ようやく更新できました〜。でもこんなに長くなるなら、分ければよかったなあ。

今日の主役は‥
クサイチゴ(草苺) バラ科キイチゴ属
私が出会ったのは(花)‥2,3,4,5月 千葉県 林縁、山地の日当たりのよい場所
千葉県評価:保護留意
もうひとつ
モミジイチゴ(紅葉苺) バラ科キイチゴ属
私が出会ったのは(花)‥3,4月 千葉県 林縁、山地の日当たりのよい場所
千葉県評価:保護留意
 
posted by ふらり at 21:36| 千葉 ☁| Comment(8) | TrackBack(0) | 春爛漫の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ふらりさん、こんばんは。
詳細なレポート、楽しく読ませていただきました♪
キイチゴ属は、実の形だけでは分からなかったのですが、ヒントでどうにか正解?できました。
あと、ぜひお試しいただきたいのが「ニガイチゴ」(笑)
実の中にあるツブツブが苦味の原因なのだそうですが、私はまだ試しておりません♪
今度、見かけたら試してみようかな…。
Posted by moto at 2006年06月01日 23:31
こんばん〜
イチゴの盛り合わせどれも美味しそうですが・・
大きいの意外はチョットね、・・
もみじイチゴは食べた方が美味しいと言ってますが
蛇イチゴも色々あるの知りませんでしたので、此れから出会うのが楽しみですね、
(もう今年は終わりかな)
Posted by おとと at 2006年06月01日 23:40
イチゴの盛り合わせ、大変満足いたしました。
子供の頃、おやつと言えばサツマイモや梅干しや芋飴程度しかなかった頃、木苺は大変なご馳走でした。見付ければほとんど食べ尽くした事を思い出しました。敗戦後の甘くはないほろ苦い思い出ですね。
Posted by onjo at 2006年06月02日 07:09
おいしそうなデザートの盛り合わせご馳走様です。(*^_^*)
食べた感想まである図鑑にはなかなかお目にかかれませんので、ふらりさんのブログは素晴しいですね。
お花だけ見ていないで、花後の姿まで観察するふらりさんは本物の野草好きだと思います。(#^.^#)

ラズベリーの実、沢山つきましたが・・・
受粉に失敗した実も多いようです。(>_<)
はてさて、食べるのが楽しみなような
怖いような〜
Posted by のんママ at 2006年06月04日 16:02
ありがとうございます。ニガイチゴは千葉では出会っていませんでした。筑波山で出会っています。名まえからしてう〜んですね。出会ったらチャレンジ!してみます。
Posted by ふらり(motoさんへ) at 2006年06月05日 20:05
ありがとうございます。クサイチゴはお勧めです。歩いて疲れたときに口に含むと甘い汁があふれてきます。ヘビイチゴはどちらもお勧めできませ〜ん。まだ実には出会えますけど。
Posted by ふらり(おととさんへ) at 2006年06月05日 20:08
ありがとうございます。当時はとてもおいしいご馳走だったんですね。今でもそう思うのですが、街にはさらに甘いものがあふれてしまって。私も食べてみて改めて自然の甘みを感じました。
Posted by ふらり(onjoさんへ) at 2006年06月05日 20:10
ありがとうございます。花の後まで興味を持ったのは、子供のころ親に教わって実を食べた記憶があったからなんです。今回ブログを書くにあたって、きちんと画像を撮ってまとめてみました。
ラズベリー、味を教えてください!
Posted by ふらり(のんママさんへ) at 2006年06月05日 20:13
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