2006年06月26日

ムラサキツメクサ (4) 雄しべと雌しべ、みいつけた!

この記事は続きです。最初の記事はこちら(←クリック)です。
 
今回の主役は引き続き〜
ムラサキツメクサ (紫詰め草) 別名:アカツメクサ(赤詰め草)
マメ科シャジクソウ属

私が出会ったのは‥千葉県 5,6,7,8,9,11月 草地
千葉県評価:一般有害
ムラサキツメクサ401.jpg
 さて、『ムラサキツメクサ』の記事もこれで4本目。今までたくさんの画像を紹介していますが、上の画像は今までにない画像なんです。普通の花かって?そうなんですけど(^_^)‥、下のほうの花をよく見てくださいね。花の形が今まで見てきたお花と違いませんか?今まで見てきた花はこちら(←クリック)です。わかりました?
それでは、もっと拡大して見てみましょう。
ムラサキツメクサ402-1.jpg
 ほらね!上を向いていた翼弁と舟弁が下に倒れて、雄しべと雌しべが出てきましたよ!(^^)!大はっけ〜ん!
 今回の話は、このお花に出会ったことから始まりました。水辺の遊歩道を散策していると、『ムラサキツメクサ』がたくさん咲いていました。好きな花なので、ちょこちょこ見ながら歩いていると、
「あれ?なんか変。。」
立ち止まって、お花をよく見ると、小さなひとつひとつのお花の中心に金色の輝き。
「あ!雄しべと雌しべだ!」
初めて出会いました。『ゲンゲ』(←クリック)の記事でも、雄しべと雌しべの説明をしましたね。その時の説明では雄しべと雌しべは2枚の舟弁の合わさった中に隠れていることを書きました。花の終わりごろで、雄しべと雌しべが見える画像を載せたのですが、なぜ雄しべと雌しべが見えるのかは、そのときはあまり気にも留めていませんでした。でも、『ムラサキツメクサ』の雄しべと雌しべが飛び出している花を見つけたとき、
「これは誰がやったんだろう?自然となるんだろうか?」
って思い始めたんです。そこで、周りの花をよく見はじめると、同じような花がやっぱりたくさんあることに気がつきました。
 さて観察開始!です。上の画像をよく見ると、雄しべや雌しべが見える花は、そうでない花と比べると、翼弁と舟弁が下に倒れていることがわかります。雄しべと雌しべは立っているので、どちらかというと、雄しべと雌しべの位置にもともと翼弁と舟弁があったのだと思われます。
 その次に、翼弁と舟弁が倒れたせいで、旗弁との間にすき間というか穴が見えました。そうそう、旗弁のストライプ模様は虫に蜜の位置を知らせる「蜜標」というものでしたね。そのストライプの方向を見ればわかりますが、蜜はこのすき間の開いた奥にあるのでしたね。となると‥、蜜を吸いに来た虫がやったのかな?

 その時『ムラサキツメクサ』に遊び(^_^)に来ていたのは、チョウとハチでした。さて、犯人はだれだ!
ムラサキツメクサ403.jpgムラサキツメクサ404.jpg

 まずは容疑者二人‥じゃなかった(^_^;)、撮影しやすいチョウから。左はモンキチョウ、右はモンシロチョウです。画像はサムネイルなので、クリックすると拡大します。どちらも細長い管のような口(口吻)を伸ばして、蜜を吸っているようですが、花はそのままの形のようですね。

 ということで、チョウの仲間ではなさそうです。次はハチです。ハチは撮影するのに苦労しました。なにしろ、『ムラサキツメクサ』はたくさんの花が集まっているので、ハチは次から次へと花の蜜を集めてせっせと動き回っているのですから。チョウのように自分の食べるためだけに蜜を吸っているだけでなく、巣に持ち帰らないといけないのでしょうからね。
ムラサキツメクサ405.jpg

 たくさん撮影した中から。ハチの種類はおそらくコマルハナバチではないかなと思っています。違っていたら教えていただけたらと思います。上の画像のコマルハナバチさんは、もぐりこんでなにかしてますよ〜。
ムラサキツメクサ406-1.jpg
 隣の花に移ったところで1枚カメラ。あれ、雄しべと雌しべがでていますよ!この子かな(*^_^*)?
それと、口の位置から長い口吻を伸ばして、花に差し込んでいるように見えますね。後ろ足がオレンジ色に粉を吹いて膨らんで見えるのは花粉だそうです。コマルハナバチは毛がたくさん生えているので、これに花粉をくっつけて巣まで運ぶというわけでした。う〜ん、なんとなくこのハチが雄しべと雌しべを飛び出させているような感じなのですが、もう少しわかりやすそうなのはないかな?
ムラサキツメクサ407.jpg
あっこれはどうでしょう。お顔を突っ込んでいますよう〜(^。^)。よく見ると胸で舟弁と翼弁が押し下げられています。その瞬間、舟弁の間から雄しべと雌しべが飛び出して、コマルハナバチの胸に当たって、雄しべの花粉がついて、また前の花の花粉が雌しべの先(柱頭)につくようですね。
ムラサキツメクサ408.jpg
 蜜を吸い終わったのか、お顔を上げたところです。雄しべが飛び出しているのが見えますね!やった〜!(^^)!、これで、わかりました。『ムラサキツメクサ』の花の雄しべと雌しべを飛び出させているのはハナバチの仲間でした。というよりも、これは『ムラサキツメクサ』の作戦のようです。つまり、ハナバチが蜜を吸うために顔を突っ込むと自然と翼弁と舟弁が押し倒されて、その間に隠れていた雄しべと雌しべが飛び出して、ハナバチの胸に当たって、花粉のやり取りをするわけです。密を分け与える代わりに花粉を運んでもらうという、『ムラサキツメクサ』とハナバチとの間にはきちんとした交換条件が成り立っているようですね。このようにマメ科の蝶形花は、ハナバチの仲間に花粉を運んでもらうためにあのような形の花になったのでした。花粉のついているおしべを隠しているということは、雨からも守れますし、顔を突っ込むというような器用なことのできない、ハナアブやハナムグリのような甲虫にはえさを与えないというメッセージにもなります。そう、『ムラサキツメクサ』をはじめとするマメ科の花の蝶形花は、虫を選んでいるのです。今まで紹介してきたバラ科の花(たとえばヘビイチゴはこちら)のように、上を向いて開いている花はだれでもWelcome!でしたが、マメ科の花はそうではなく、ちょっとしたからくりを用意していて、これが解けるムシさんだけにごほうびが待っているのです。
 「身近な植物から花の進化を考える」には、花の進化のひとつの方向として、横向きの花への進化があげられています。これらの花の多くが今回の『ムラサキツメクサ』と同じくハナバチの仲間を大切なお客様と考えています。それは、皆さんも見ているとわかるように、忙しく花から花へと動き回るからです。花にとっては、花粉をつけたら早く他の花に行ってほしいんですね。それと、ハナバチの仲間はこのような花のからくりを解明する能力も高いそうです。
 さて、最初に出てきたチョウの仲間はどうなんでしょう。見ると蜜だけ吸って、花粉は体につかないようにしています。いかにも優雅ですが、『ムラサキツメクサ』にとっては、とられ損です。「Newton植物の世界 草本編」に載っている田中肇さんの論文には、チョウの仲間はしばしば花にとっては盗蜜になってしまうと書かれていました。なるほどね〜。
ムラサキツメクサ409.jpg
 今回はハナバチを追っかけまわしましたが、待ってくれないのでした〜(~_~;)。なのでこんな写真も‥。もう飛び出しちゃってるじゃん!
 さて、今度『ムラサキツメクサ』を見つけたら、雄しべ雌しべが出ている花がどれくらいあるか観察してみるのもおもしろいかもしれません。なにしろ、この花は初夏の花としましたが、じつは晩秋の11月まで出会うことができるのでした。
ムラサキツメクサ410.jpg
 上のようにたくさん開いている花があれば、その花は人気者なのですよ(*^_^*)。
おしまい。
 次は白花(←クリック)です。
posted by ふらり at 21:28| 千葉 🌁| Comment(4) | TrackBack(0) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なるほどね〜此処まで観察する事は大変な事と思います。
ハチがシベを開かせて物々交換ですね、(ハチさん可愛いですね〜)
それにしても、蝶々さんはしおらしそうですが、泥棒さんとはね、・・
開いているお花はまだ見覚えは無いのですが、
Posted by おとと at 2006年06月27日 22:44
ふらりさん 今晩は〜! 
今日も楽しくお勉強出来ました。m(_ _)m
ムラサキツメクサの花をこんなにした容疑者はコマルハナバチだったんですネ〜!
コマル? 困る〜? イヤイヤ…
吸蜜の交換条件で花粉を運んでもらわないとコマルんですものね〜♪
私もムラサキツメクサを良く観察しましょう♪
Posted by かえで☆ at 2006年06月27日 22:51
ありがとうございます!
私も開いた花に気がついたのは今月!でした。好きな花なのに。どちらかというと、花の開き始めよりは、すこし時間がたってハチが訪れるチャンスを待った方がいいのかもしれませんね。または、ハチが花に集まっていたらチャンス!です。
Posted by ふらり(おととさんへ) at 2006年06月28日 06:05
ありがとうございます!
コマル‥なるほど(^_^)。私もブログを書きながら、ああそうか!なんて一人でやっています(^^ゞ。花と虫はやっぱり一緒に撮るのがいいですね。ハチをこんなに追っかけたのは、初めてです。
Posted by ふらり(かえで☆さんへ) at 2006年06月28日 06:11
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