2006年07月07日

ヒロハノカワラサイコ (3) ちょいと遅れて咲きはじめました!

この記事は続きです。最初の記事はこちら(→クリック)です。
 
なぜか3回目になってしまいましたが、今回も主役は‥
ヒロハノカワラサイコ (広葉の川原柴胡)
バラ科キジムシロ属
 
私が出会ったのは‥千葉県 6月 荒地、砂地(海辺近く)
千葉県評価:重要保護

ヒロハノカワラサイコ10.jpg
 今日は私の想像の世界へ。花がそっくりな同じキジムシロ属のミツバツチグリ、キジムシロ、オヘビイチゴ、そしてヘビイチゴ属のヘビイチゴ、ヤブヘビイチゴと比べて、この『ヒロハノカワラサイコ』は咲く時期が少し遅いのです。なぜでしょう。
 ミツバツチグリ、キジムシロの記事はこちら(←クリック)です。
 オヘビイチゴの記事はこちら(←クリック)です。
 ヘビイチゴの記事はこちら(←クリック)です。
 ヤブヘビイチゴの記事はこちら(←クリック)です。
 さて、『ヒロハノカワラサイコ』以外の花は3〜5月に咲きます。一番遅いオヘビイチゴも4月末には咲き始めます。一方『ヒロハノカワラサイコ』は早くても6月に入ってからです。もちろん、すべて千葉県内の花ですから、ほとんどが同じような気候です。『ヒロハノカワラサイコ』だけが気温の低い場所にいるわけではありません。何しろ千葉県には高い山はありませんからね(^_^;)。
 この疑問に本当の答えは出ないのかもしれません。他の例として、ノアザミだけがなぜ5月に咲き、他のアザミは夏から秋に咲くのかなんて全くわかりません。でも、『ヒロハノカワラサイコ』については、なぜ6月かはわかりませんが、6月に咲くことと、生きている環境がなるほどうまくできていると思えてきたので、この記事を書いてみることにしました。
 
 『ヒロハノカワラサイコ』をはじめとして、キジムシロ属とヘビイチゴ属の野草は花がそっくりということのほかに、茎が地を這って伸びるという共通点があります。つまり背が低いわけです。
 キジムシロやヘビイチゴが咲いていた4月に戻って考えてみます。どんな場所で出会ったでしょうか。日の当たる草地や水田のあぜや林縁などでした。4月ごろはまだ背の高い草はありませんので、背を高く伸ばす必要もなく、横に広がって陣地を稼いで葉を広げた方がたくさんの花を咲かせることができます。だからキジムシロ、なるほど。
 さて、それでは今その場所はどうなっているでしょう。草地や林縁では背が高いイネ科やセイタカアワダチソウなどの草がぼうぼうに生えてしまって、背の低い花は陽の光も届かないし、花を咲かせても全く目立ちません。実際キジムシロの果実を見たくて5月に見に行ったら、草がぼうぼうで、どこに咲いていたかわからなくなってしまいました。
 一方、田のあぜなど水田回りに咲いていたオヘビイチゴやヘビイチゴはどうなっているでしょう。そう、田植えの時期には農家の方が草刈りをしてしまいます。田植えは大体ゴールデンウィーク以降ですので、そのころ生えていた草はいっせいに刈られてしまうのです。すると、6月に咲こうとする『ヒロハノカワラサイコ』にとっては、他の仲間が咲いていた場所は、大変不都合であることがわかります。
 つまり、キジムシロやヘビイチゴなどの春に咲く花は、他のたくさんの春の花と同じように、背の高い草が伸びる前に一斉に花を咲かせて葉を広げて陽の光を浴びて成長するという生き方を選択しているわけです。
 一方で『ヒロハノカワラサイコ』はどうでしょう。最初の記事(←クリック)や上の画像でもわかりますように、6月でも背の高い草はおらず、陽の光を十分に浴びる環境に咲いています。だから6月ごろにのんびり花を咲かせていても大丈夫なのでした。これは恐らく、土が砂地や石などが多く、痩せていることと関係があると思われます。つまり6月ごろ花を咲かせる『ヒロハノカワラサイコ』はその時期でも草が繁茂しないような環境に生きているというわけです。考えてみてなるほど〜と思ってしまいました。
 さて、最初の疑問に戻って、6月に花を咲かせる理由は何でしょう。誰もが感じているかもしれないのですが、6月にはいると新しい花が減るような気がします。春の花が一段落して、夏の花もまだ少し。つまり成長の時期なんです。雨も多いですしね。その時期に花を咲かせるのはなんか理由があるのかな。雨が多いということは、ネジバナのように横を向いている花はまだしも、『ヒロハノカワラサイコ』のように上を向いて咲く花にとっては、雨が当たるので不利なような気がします。雨が降ると虫の活動も控えめのような気もするし。一方、晴れないとは言え、気温は春よりも高く(蒸し暑く(@_@))、虫の数自体は多いと思います。すると、花の数が少なければ、競争率が低いということにもなるのかもしれません。つまり春に比べて、6月はいいこともあれば悪いこともあるようです。その辺をどう考えるのかは花それぞれなのだと思いますので、『ヒロハノカワラサイコ』君は6月の方がいいや!って思ったのかな。それとも最初はみんな6月ごろ咲いていたのが、他の花は春の方が有利だということで、咲く時期が早まったのかな。
 この辺で、想像の世界から戻りましょう。こういうことを考えていると、植物はそれぞれ、環境に合った生き方を選択しているんだなあって、少し感じることができました。
ヒロハノカワラサイコ8.jpg
6.花の後は
 上の画像は花が散った後です。ヘビイチゴやオヘビイチゴで見られたように、花が開いていたときに一緒に開いていた萼片は閉じてきます。花が終わったらいったん店じまいというわけです。
ヒロハノカワラサイコ9.jpg
 上の画像では、果実が熟し始めたので、また萼片が開き始めています。『ヒロハノカワラサイコ』はヘビイチゴの仲間ではないので、赤い実は実りません。ということで、味見はしませんでした(*^。^*)。
 
 おしまいです。今回は想像の世界で遊んでしまいました。もっときちんとした理由があるということをご存知の方はぜひ教えてください。
posted by ふらり at 23:34| 千葉 🌁| Comment(11) | TrackBack(0) | 梅雨の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私事で恐縮ですが、我が家の庭にマルバスミレとスミレが生えております。春に咲いたときはほんの小さな可憐な草ですが、今はマルバスミレなどは直径30cmの大きな株となっており、立派な草本という感じになっております。今盛んに閉鎖花の種が実って、また、庭に散らしております。この環境は、陽がほどよく当たり、上に何も遮るものが無く、庭ですから適当に栄養もあるのでしょう。環境さえ良ければ、こんなにも大きくなるわけです。
ヒロハノカワラサイコも、ふらりさんが推察されているように競争相手が居ないと言うことも充分考えられますが、条件の良い土地に植えてやれば、もっと早く実を実らせるのではないでしょうか。要するに、荒れ地や砂浜では、実を実らせる栄養が不足がちでしょうから、実らせるに充分な栄養を貯えるのに時間が掛かるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
Posted by onjo at 2006年07月08日 18:34
ヒロハノカワラサイコは私の図鑑では、分布域きが北にかたよっているとありますので、花の咲く時期は日照時間との関係は無いのでしょうか?私の勝手な想像です
でも実が赤くならないとは、!可愛くない
Posted by おとと at 2006年07月08日 21:46
onjoさん、こんばんは。
考えていただいてありがとうございます。なるほど〜。植物の潜在能力は高いというわけですね。この答えを出すには、ヒロハノカワラサイコさんに、もっと環境の良い場所にお引越ししてもらう必要がありますね。。っと重要保護の方なのでそれはちょっと無理でした。
 なんとなく思うのは、ヒロハノカワラサイコは芽吹きも遅いと思うのですよ。つまりスタートから出遅れているので、花も遅いというわけです。というのは、私が花を見た6月の時点で、まだちっちゃな葉を2枚広げただけの芽が結構ありました。これらは、恐らく7月8月ごろに花をつけるのでしょう。ヒロハノカワラサイコは多年草で、恐らく冬の間は葉を落として、翌年になって芽吹くのでしょうから、芽吹くための栄養は前年にためておいたものだと思われます。すると、芽吹きの早い遅いは環境よしあしにあまり関係がないように思います。もちろん日当たりは今の環境でも良好です。ただ芽吹いてからの成長が、栄養が貧困だと遅い可能性は多分にありますね。
環境が良い場所でも、芽吹くのが遅ければ、やっぱり花も遅いということになるのかなあって、想像の世界でした。のんびりやさんの気質はなかなか治らないのかもしれません(*^_^*)。onjoさんのおかげで更に考えることができました。ありがとうございますm(__)m。これからもどんどんご指南ください。
Posted by ふらり(onjoさんへ) at 2006年07月08日 22:26
おととさん、こんばんは。
おととさんも調べてくださってありがとうございました!花の咲く時期と日照時間はとてもかかわりがあると思います。日陰の場所だと、咲く時期が遅いので、あっしまった遅かったかなんていう時は、日当たりの悪い場所にまだ花が残っていないかなんて探すことがあります(*^_^*)。
 ただ私が出会ったヒロハノカワラサイコは日当たり良好の環境で、ごろごろ寝そべっていたので、日照時間は十分なんだと思います。
 ヒロハノカワラサイコは北の方に分布しているとのこと、もう一方のカワラサイコに出会いたいです〜。でも私の方には大きな川がないからなあ‥。あっおととさんの近くの川原ではカワラサイコ達はいますでしょうか?
Posted by ふらり(おととさんへ) at 2006年07月08日 22:34
ご心配いただきありがとうございました。
元気に仕事に復帰してくれましたので
又、のんびりとした日常が戻ってきました。(*^_^*)

ヒロハノカワラサイコ、いまだお目にかかったことのない花ですが葉っぱに特徴がありますね。そういえば、カワラサイコにもお目にかかったことがありません。(^_^;)

ふらりさんの探究心にはいつも感服しています。また明日にでもゆっくり読ませていただきにお邪魔します!
Posted by のんママ at 2006年07月09日 23:04
のんママさん、こんばんは。
よかったです。少し安心しました。(^_^)
ヒロハノカワラサイコ、結構かわいい葉です。ただ、出会える場所が結構限られているのかもしれません。私も今年初めて出会いました。カワラサイコは出会っていません。
さて、次は何にしましょう。
Posted by ふらり(のんママさんへ) at 2006年07月10日 20:11
ふらりさん、こんばんは。
ヒロハノカワラサイコ、かわいらしい葉っぱですね。
1〜3まで読ませていただきました♪
梅雨の季節に咲く花…種類は少ないのかもしれませんが、ポツリポツリとあるんですよね。
どうして???わかりません(笑)
いろいろなプログラムをもった植物がいて、淘汰されたり、生き残ったり、悪い条件でも、ふらりさんがおっしゃるように競争相手が少ないだけに、この時期咲いていることで残った植物もあるのでしょうね。
ハンゲショウ、スイレン系、アヤメの仲間、先日、見かけたホテイアオイも梅雨時の花でしょうか。
水辺を好む花には雨の多い季節はメリットがあるかも。
Posted by moto at 2006年07月11日 00:34
ふらりさんお元気ですか〜
此処ブログが動きませんので案じております。
ふらり教室早く再開してください
Posted by おとと at 2006年08月06日 19:55
ふらりさんこんにちは。
ふらりさんのイマジネーション豊かな解説、これからゆっくり楽しませていただきます。
Posted by madoppe at 2006年09月15日 18:15
コメントありがとうございます。記事をまた投稿していきますので、よろしくお願いします。
Posted by ふらり(おととさんへ) at 2006年09月24日 19:07
はじめまして!開店休業中にもかかわらず、コメントありがとうございます。徐々に再開しますので、よろしくお願いします。
Posted by ふらり(madoppeさんへ) at 2006年09月24日 19:08
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