2006年04月30日

カヤラン (1) 見上げると天使が舞い降りて

ふと見上げると、天使が舞い降りてきました。それは楽園へのいざないでした。
 
カヤラン (榧蘭)
ラン科カヤラン属
 
私が出会ったのは‥4月 公園、寺社、街中 (木の上)
カヤラン全体.jpg
1.名まえの由来
 葉が針葉樹のカヤの葉に似ているから。私はカヤの樹を意識して見たことがありませんが、インターネットで検索した画像を見る限り、なんとなくモミの樹の葉に似ていました。
 
2.出会った場所 
 今日なんとも不思議な花に出会いました。お寺の大きなイヌマキの樹を下から見上げると、枝に黄色いものが見えました。イヌマキの花?ではありません。ランの花でした。高さは地上5m以上ある場所でしょうか。もちろん手を伸ばして届きません。私のカメラでは、精一杯ズームしてこの程度の画像でした。
 イヌマキの樹をぐるりと観察すると、面白いことがわかりました。カヤランの花がついている枝は、陽の光が当たりやすい方向に伸びている枝だけで、また手の届く程度の低い枝にはありませんでした。今回掲載している画像は、見上げて上を向いて撮影しています。なので、画像が若干ぶれてしまっています。すみません<(_ _)>。
カヤラン説明.jpg
3.どうやって生きているのでしょう。
 上の画像を見ると、カヤランの花と葉はイヌマキの枝から吊り下がっていました。葉両側についているのでモミの樹じゃかなったカヤの樹の葉に似ていないことはないかな。また、左の枝にはつぼみがついていました。左のつぼみの株、右の花の株からはそれぞれ細い紐のようなものが伸びてイヌマキの枝にからんでいます。これは根でした。根の力で高い樹の上にしがみついているのでした。このように樹の上で暮らしている植物を『着生植物』というそうです。
 さて、樹の上でどのように暮らしているのでしょうね。眺めはいいし、いい暮らしだなあと思いきや、どうもそうではないようです。樹の上には水や養分を含む『土』がありません。どうしましょう。。
 「はい!着生しているイヌマキの枝から養分を吸い取って暮らしています。」
 →「はずれ(_ _。)・・・。それはきのこのような『寄生』ですね。『着生植物』は場所は借りていますが、養分までは横取りしません。自分で何とかしています。」
 「はい!実は根を下の土まで伸ばして、普通に土から水と養分を摂っています。」
 →「はずれ(_ _。)・・・。それはどちらかと言うと『クズ(葛)』のような「つる性植物」ですね。カヤランのような『着生植物』は根を下までは伸ばしません。」
 どうしましょう。。
 正解は、雨や霧、露などで樹の枝を水が伝うときに水分を吸収し、樹の樹皮などが古くなり分解された栄養を取り入れているのでした。結構大変ですね。雨や霧なんて、熱帯雨林のようなジャングルならよくあるかもしれないけど、千葉県では特に冬は乾燥します。よく生きていますね〜。乾燥に耐えるため、水分を蓄えるために葉が厚くなっているそうです。おや、『ツヤスミレ』と同じですね。
カヤラン花のコピー.jpg
 それにしても、カヤランの葉って、偶然にもイヌマキの葉にそっくりですね。花が咲いていなければ、そこにカヤランがあるなんて気づかないだろうなあ。
 次に、『着生植物』ってなんで『着生』したんでしょうね。上で述べた水分や養分の摂取しずらさという欠点を忘れるほどのいいことがあるのでしょうか。ここからは想像です。『着生』の特徴は高い場所ということです。高く登ったのは「陽の光」を求めたからでしょう。植物にとって「陽の光」とても大切です。光合成のエネルギーですものね。木々の生い茂る森林に住む野草にとって、生長のための「陽の光」をどうやって獲得するかは大きな問題で、工夫が必要です。
 たとえば、カタクリやアズマイチゲ、『コセリバオウレン』など、「スプリング エフェメラル(春の妖精)」と呼ばれる野草は、春早く、まだ木々が葉を出す前、陽の光が地面まで届くころに一斉に葉を展開し、花を咲かせます。そして、木々の葉が地面を覆ってしまい陽の光が届かなくなるころには、花どころか葉も落としてお休み状態に入るのです。そこまで徹底していなくても、『スハマソウ』『マキノスミレ』『ヒナスミレ』『キンラン』など春いっせいに花を咲かせる野草は、同じような生き方だと思います。これらの野草は森林といっても、秋に葉を落とす「落葉樹林」の林床に暮らしています。一方、イヌマキのように一年中葉を落とさない「常緑広葉樹林」の場合、春も林床(地面)には陽の光が届かず暗いため、「落葉樹林」でできた作戦が使えません。そこで、陽の光を求めて上へ上へ。他人(樹木)の力を利用して高い場所へとは頭がいいですね。
 ここまで書いていて、ふと思いました。どうやって上に登ったのだろう。つる性植物なら自力でがんばるからわかるのですが、この子達は‥。自分でだめなら、子供かな。。種を飛ばしますか。タンポポみたいに。かな〜り偶然性が必要だけどなあ。しかも飛ばすとなると、種は小さくなるので持参金(栄養)も少ないから、育つのに苦労するね。つる性にしとけばよかったのに。。う〜んどうなんでしょう。ランの仲間の種って見たことないなあ。これで正しいのでしょうか。ご存知の方教えてくださ〜い。
 
長くなったので、つづき(←クリック)はまた明日。っともう明日じゃん!
posted by ふらり at 00:25| 千葉 ☔| Comment(8) | TrackBack(0) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月01日

カヤラン (2) 見上げると天使が舞い降りて

この記事は続きです。最初の記事「こちら」(←クリック)からご覧ください。
 
カヤラン (榧蘭)
ラン科カヤラン属
 
私が出会ったのは‥千葉県 4月 公園、寺社、街中 (樹の上)
カヤラン遠景.jpg
 つづきです。イヌマキの枝を見ていたら、ぶら下がっているのがよくわかる『カヤラン』の花がありました!おもしろいですね〜。ちなみに薄ピンクの花は、イヌマキの後ろに咲いていた八重桜の花が写っています。これで、地上約4mくらいかな。
そこで、もう少しアップ〜。
カヤラン全体吊り.jpg
なんと自分の茎にも根が絡まって、下のほうに降りてきていました。この根は何なんでしょう?『絵でわかる植物の世界』によると、これを「気根」というそうです。空気中の霧などの水分を得ようとしているのでしょうか。がんばっていますね〜。
カヤラン花吊り.jpg
 下から花を写しました。花は真下をむいていました。形はまさしくランですね。丸いつぼみから徐々に開くさまがよくわかります。薄黄色のかわいい花です(*^_^*)。近づいて匂いをかいで見たいのですが、背が低くて(^_^;)。
 寺社の森って昔から守られているので、貴重な植物があることが多いのですが、これもそのひとつなのでしょう。このお寺は由緒正しいお寺でしたよ。このカヤランはいつどこからここに来たのでしょうね。

カヤランおしまい!

posted by ふらり at 00:55| 千葉 ☔| Comment(10) | TrackBack(0) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月08日

ヤセウツボ (1) 隠れて優雅な生活送ってます

今回はヤセウツボの紹介というよりは、彼らの生活について興味がわいたので、まずはそこから載せてみます。
 
ヤセウツボ (瘠靫)
ハマウツボ科ハマウツボ属
 
私が出会ったのは‥千葉県 5月 海辺(砂地)
千葉県評価:一般有害
ヤセウツボ全体.jpg
1.出会った環境
 海岸の浜辺ににょっきり飛び出していましたよ(^_^)。なんでしょう?茎には緑の葉もついていなし‥。あっ周りに緑の葉が散らばっています。これが葉なの?でも調べると、この葉は『ハマニガナ(浜苦菜) キク科』でした。花はまたいつか紹介しますね。さて、そうなるとこいつはどうやって生活しているんでしょう。こいつではかわいそうでした(^_^)、『ヤセウツボ』と言います。名まえの由来は次回でね♪
 
2.寄生植物とは
 図鑑『野に咲く花』によると、「マメ科のシロツメクサなどを中心に、キク科やセリ科にも寄生する。」とありました。そうなんです。『ヤセウツボ』は寄生植物だったんです。だから緑ではないのね。
 寄生植物って何でしょう。わからないので、インターネットで検索をしたら、下記のサイトにこのように書かれてありました。
 サイトURL(トップページ):http://www2u.biglobe.ne.jp/~gln/home01.htm
 「他の緑色植物から栄養分を得て生活をしている植物は寄生植物と呼ばれていますが,その養分の摂り方は様々です。光合成をする能力を完全になくして,水や栄養塩類だけでなく,有機物まで他の植物の作り出したものに頼って生活している植物は,「完全寄生植物」と呼ばれています。」
 もうひとつ「半寄生植物」というのもあるのですが、これはまたブログに登場したときに。と言うことで、『ヤセウツボ』は葉緑素がないので、光合成をしないわけです。その代わり、栄養をほかの植物から得ているんですね。ちょっと意外だったのは、水も!他から得ているとは!水ぐらい自分で何とかしなよ!っと思うのですが、栄養をそのままもらっていたら、水もいらないんだね。すご〜い。
 
3.調べてみよう〜(~0~)
 実際のところ、『寄生』と言っても、どうやってんの?全然イメージがわかないのでした。そこで、「調べてみよ〜(~0~)」のコーナーです。『ヤセウツボ』には申し訳なかったのですが、砂を掘って犬みました。
ヤセウツボ全体21.jpg

 すると、地下にも結構長く茎が伸びていました。10cmくらいかな。その割には根は貧弱です。実際のところ、『ヤセウツボ』の周りの土を慎重に除けていくと、最後はコテ!っと倒れてしまいました。昔子供のころ、砂場で山の上に棒を立てて、砂を取っていき、棒を倒した人が負け!と言う遊びをしていましたが、それを思い出しました(^^♪。
 それと、地下に『ヤセウツボ』の新しい株を見つけました。この子はまだ地上には顔を出していなかったので、まぶしい思いをさせてしまいました。
 一方周りに出ていた『ハマニガナ』ですが、これも掘ってみてびっくり!白い地下茎が縦横無尽に伸びていました。今日最初の画像では、葉がポツポツと砂地に開いているのですが、それはみんな地下茎でつながっているんです。そして、葉も地下茎から長い茎を伸ばしてようやく地上に現れているのがわかりました。
 さて、『ヤセウツボ』の根と『ハマニガナ』の地下茎や根がなんとなくからんでいるのが気になります。少し拡大して見てみましょう。
ヤセウツボ根拡大1.jpg
 根の部分を拡大しました。『ハマニガナ』の根は地下茎からひょろっと出ている細いものです。よくよく見ると、『ヤセウツボ』がからんでいるのは『ハマニガナ』の茎ではなくて根の部分でした。よ〜く見るとで囲った部分、お互いの根が絡み合っています。さらに拡大してみましょう。
ヤセウツボ根拡大2.jpg
 あっ発見!『ヤセウツボ』の根がそこだけ太くなって『ハマニガナ』の根に吸盤のようにくっついています!おもしろいことに、くっついているのは『ヤセウツボ』の根の先端ではないのです。
ヤセウツボ根拡大2.jpg
 さて、近くにいた『ヤセウツボ』の子供はどうでしょうか。やっぱりこちらも『ハマニガナ』の根に『ヤセウツボ』がからんでいました。
ヤセウツボ新株2.jpg
 あっと思ったら、くっついていたのが取れてしまいました。実はちょっと動かした程度で、根を吸着させていた部分は離れてしまいます。すると、『ヤセウツボ』がくっついていた『ハマニガナ』の根の部分からは白い液が!やっぱり栄養を吸っていたんですね!わかりました?それにしても、『ハマニガナ』の太い地下茎ではなく、根のほうにきちんと寄生しているのはおもしろいです。地下茎ではやっぱりうまくいかないのかな。
 『ハマニガナ』はキク科なので、上に書いた図鑑の記述は正しかったです。
 
4.とりあえずまとめ
 『完全寄生植物』ってなんかすごいですね。根も寄生相手を探すためと自分が倒れないように支えるためだけだし、葉もいらないし、すべての栄養は花のためだけに使うのですよ。超!効率的と言うか、ある意味理想的な生活なのかもしれません。でもだったら『ヤセウツボ』君ももう少し花を魅力的にしてもいいかな。。大きなお世話でした。
 どうやって進化したんでしょうね。もともと植物なのですから、葉緑素を持って自分で光合成していたはずです。それが何かの偶然で、おいしいことを見つけたんでしょうね。ああこれ楽だなあ思ったのかもしれません。でもそれを自分だけでは終わらせずに子供たちに伝えてきてさらにその方向へどんどん進化していく‥。なんか進化っておもしろいなあ。一度方向付けされてしまうと、その方向へより適応性があがるように進化する。元には戻れないんです。
 それにしても、植物は動けないので、子供たちはどうやって寄生の相手を見つけるんでしょう。やっぱり動けるチャンスは『種』でしょうね。これも見たことないですが、種が小さくて飛んでくのかな。偶然性がかなりありますけど。砂浜では『ハマニガナ』などみんな地下茎や根をどんどん横に広げるような感じなので、どこに種が落ちても、大丈夫なのかもしれません。水道と食事の宅配も完備!された、『ヤセウツボ』にとってはとってもよい場所を見つけましたね!
 
5.感想
 実はこんなに簡単に根のくっついている部分が取れてしまうと思っていなかったので、最初根の部分を掘っていたら、全然くっついていなくておかしいなあって思っていました。そこでより慎重に根を掘ってみてようやくくっついている部分がわかりました。『ハマニガナ』から離れてしまった『ヤセウツボ』はどうなるのかなあ‥。ちょっと心配ですが、とりあえず、一緒にまた埋め戻しました。。
 もともと同じ仲間の『ハマウツボ』を撮影した後で、寄生植物であることに気づき、どうやっているのかを見たかったのですが、『ハマウツボ』は千葉県評価では最重要保護!なので、こんなことはできないとあきらめました。そしたら次の日に、『ヤセウツボ』に出会い、こちらは県評価で『一般有害』!なので、少しぐらいは許してねっということで、調べさせてもらいました。
 砂浜で、波打ち際では潮干狩り、遠く離れたこの場所で、潮干狩りじゃなくって植物の根っこ観察。似ている動作ですが、全然違うことやってました〜(-_-;)。
 
 『ヤセウツボ』および『ハマウツボ』(←クリック)の本来の紹介は次回に続きます。

posted by ふらり at 05:33| 千葉 ☔| Comment(10) | TrackBack(0) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月09日

ハマウツボ つくしんぼではありません。

ハマウツボ兄弟.jpg

あれれ?海岸の砂地に間違ってつくしがひょこり顔を出しました。三兄弟!なあんて、違いますよ(*^_^*)。なんの芽なんでしょう。さて、三人の相談も決まったようですね。さあみんなで花を咲かせましょう!
ハマウツボ全体.jpg

今日のお花は‥
ハマウツボ (浜靫)
ハマウツボ科ハマウツボ属
 
私が出会ったのは‥千葉県 5月 海辺(砂地)
千葉県評価:最重要保護
1.名まえの由来
 海岸に生え(浜)、花穂が矢を入れるうつぼ(靫)に似ていることによる。うつぼ(靫)とは竹などを編んで毛皮を張ったもので、右腰につけるものだそうです。まったく想像がつかないのでインターネットで調べてみました。
 サイト名:千葉県立中央博物館大多喜城分館
 URL:http://www.chiba-muse.or.jp/SONAN/kikaku/ikusa/3%20bukibugunosyurui.htm#9utsubo
 この画像をひっくり返した感じなのでしょうか。つまり毛皮を張った袋の部分が花をつけた部分かな。昔の人には馴染み深かったのでしょうが、今はなかなか見る機会はありませんね。ウツボと聞くと思いつくの魚のはうつぼです。あの怖そうな魚ですが、そうじゃないのですね。
 
2.出会った環境
 海岸近くの砂地にひょこっと。不思議なんです。葉っぱもないし、いきなり花だけ。でもなんか美しいので出会えてうれしいお花です。
 じつは『ハマウツボ』は「完全寄生植物」なんです。なにそれ?という方は(私もそうでした)、同じ仲間の『ヤセウツボ』(←クリック)に詳しく書きましたので、そちらをどうぞ!つまり、水や栄養を自分ではまったく作らずに、他の植物から得ている植物なんです。『ハマウツボ』は主に『カワラヨモギ』に寄生します。上の画像で写っている緑の細かい葉が『カワラヨモギ』でした。だから自分には葉がないのですね。。っと待って!葉はあるんですよ!
ハマウツボ花.jpg
3.葉について
 上の画像を見てください。全体に産毛が生えていてかわいいですね。その中に燐片状のものがありますが、それが葉の退化したものなのです。光合成はもちろんしませんが、その名残だけはあるのでした。
ハマウツボ花拡大.jpg
4.花について
 花びらはくっついていて1枚です。花の中に見える前歯のようなものが雌しべ、その横にあるのが雄しべです。
ハマウツボ上から.jpg
 上から見ると、結構豪華ですね。花がいっぱいついています。花の形が、他の花にていませんか? 
ウツボグサ+ハマウツボ.jpg 
 左上はシソ科の『ウツボグサ(靫草)』です。ウツボは同じ意味です。夏の野の花です。全体の感じが似ていますね。花一つ一つも似ているのですが、もっと花の形が似ているなと思ったのが‥
 右上の画像はちょっとしたお遊びです。『ハマウツボ』に違う色の花が!なあんて新発見ではありませんでした。これはゴマノハグサ科の『コシオガマ(小塩釜)』と『シロバナコシオガマ』の花(秋の花)をくっつけてみました。形がとても似ています。下側の唇のような部分が3つに裂けていて、その真ん中にでこぼこがある。『ハマウツボ』をじっと見ていて、私が似ているな〜って思い出したのは『コシオガマ』でした。
 よくよく調べてみると、ハマウツボ科はゴマノハグサ科と親類だそうです。もちろんシソ科も近縁なんでしょう。ゴマノハグサ科から完全寄生植物として分化したのかな。そして驚いたことには『コシオガマ』もじつは‥!続きはいつかね♪ 秋までひっぱるの?(^。^;)
 
同じ仲間では‥
ヤセウツボ』 (←クリック)
 
最後に、リンクさせていただいている方々の紹介(←クリック)を作りました。ぜひどうぞ!
posted by ふらり at 05:16| 千葉 ☔| Comment(12) | TrackBack(0) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月10日

ヤセウツボ (2) 浜にいるけどハマウツボじゃありません。

この記事は続きです。
『ヤセウツボ』の最初の記事はこちら(←クリック)です。
 
ヤセウツボ (痩靫)
ハマウツボ科ハマウツボ属
 
私が出会ったのは‥千葉県 5月 海辺(砂地)
ヤセウツボ全体3.jpg
1.出会った環境
 海を臨む砂浜の縁に背の高い棒?『ヤセウツボ』です。こんなに高く伸びるのですね。これもぜ〜んぶ、寄生している相手からの贈り物。詳しくは最初の記事(←クリック)をどうぞ。砂浜に生えていましたが、『ハマウツボ』ではありませんよ。『ハマウツボ』はこちら(←クリック)です。この『ヤセウツボ』、私は砂浜で出会いましたが、いろんな場所で生活しているようです。実はヨーロッパ原産の帰化植物でした。
 
2.名まえの由来
 ハマウツボと同じ仲間で、ひょろっと痩せているからでしょう。ウツボ(靫)とは武士の矢を入れる袋で、詳しくはこちら(←クリック)をどうぞ。『ヤセウツボ』はこのうつぼ(靫)には似ていませんし、帰化植物ですから後から名まえがついたと思いますので、「ウツボ」は『ハマウツボ』からきていると思います。
ヤセウツボ蕾.jpg
3.花について
 花をアップで撮ろうとしたら、あれ(*^。^*)?隠れちゃった?そうではありませんでした。蕾でまだ花が開いていないのでした。
ヤセウツボ-ハマウツボ.jpg
 う〜ん、並べてしまうと右側の『ハマウツボ』のほうが圧倒的に見栄えがするなあ。。でも今回は左の『ヤセウツボ』が主役でした。花の中の紫色の前歯のようなものは雌しべです。下のほうの花はすでに枯れていました。
 
 浜辺の草は、強い海風を避けるために、できるだけ低く、砂浜を這うように広がります。でも『ヤセウツボ』はがんばっていました。強い風でも大丈夫!なぜって寄生植物なので葉がないのでした〜。
おしまい。
posted by ふらり at 05:40| 千葉 ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月21日

何の花でしょう。

ヘビイチゴの花びらの枚数の変化を途中まで書いていたのですが、力尽きましたので、明日また(+_+)。
今日初めて!出会ったお花です。ふと急斜面を見上げると‥、さて何の花でしょう。
何の花1.jpg
紙くず?ティッシュ?確かにそう見えますね。私も最初は半分そんな気持ちでした。
それでは、もう一枚。違う場所での画像です。
何の花2.jpg
いずれも下から見上げた画像なので、うまく撮影できてませんm(__)m。
さて、どうでしょう。こんな画像、載せていいのかなあ。。
 
答えはまたね。すみません。今日は疲れてしまって、ここまでです〜。
posted by ふらり at 22:30| 千葉 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月22日

カザグルマ 「大輪」という言葉はあなたのために

(*)新しく、花の索引を作りました。この記事の上に書いてある『こちら』をクリックしてください。 
 
昨日はわけのわからない画像でしたが、その答えはこちらでした。
 
今日の主役は‥
カザグルマ (風車)
キンポウゲ科センニンソウ属

私が出会ったのは‥千葉県 5月 水辺(林縁)
千葉県評価:重要保護
カザグルマ全体.jpg
1.出会った環境
 千葉県の代表的な地形のひとつに「谷津」と「里山」があります。細長く入り組んだ田んぼとその周りの森林です。その地形は市川市にある大町自然観察園や千葉市にある泉自然公園、昭和の森など、代表的な自然公園にも取り入れられたり、最近ではビオトープということで、そのような地形を残す試みが始まっています。
 私は花の写真に興味を持ち出してから、房総丘陵の林道を歩くのが好きになりました。ですから、千葉県で花を見に行くというと、公園以外は房総丘陵まで出かけることがしばしばでした。ところが今年になって、千葉県には他にもいろいろな自然環境があり、そこにはまた違った花が咲いていることに気づきました。そこで、今年は海岸や水田周りの散策をするようになり、おかげで、このブログに書きましたアツバスミレやサワオグルマ、ハマウツボ、ヤセウツボや、カルガモちゃん!、そして他の方々の画像掲示板に投稿したハマハタザオ、イワタイゲキ、クマガイソウなど初めて出会うことができましたし、今連載?中のヘビイチゴも今まで以上に何回も観察するようになりました。このブログに書いていることは半分以上が今年初めて知ったことばかりなんです。今回のお花も初めて出会うことができました。
 『カザグルマ』という花は名まえすら知りませんでした。今年の初めに千葉県植物誌という図鑑を知り、そこに載っている植物を見ていて、この『カザグルマ』を見つけ、ぜひ出会ってみたいと思うようになりました。
 さて、田んぼの農道を巡っていると、遠くに白いものが目に入りました。樹の上ならホオノキの花かな?なんて思うのですが、そうではなく、里山の北側斜面でした。近づいてみると、斜面の上のほうに白いものが見えました。そこで撮影したのが、昨日の画像なんです。なにやらよくわかりませんね。でもはやる期待を抑えて、斜面を登ってみると‥
出会うことができました!それが上の画像です。
 
2.名まえの由来
 『カザグルマ(風車)』と読んで字のごとく、花をおもちゃの風車にたとえたものだそうです。『カザグルマ』に似ているテッセンは中国産の花ですが、加えて秋に白い十文字の花をたくさん咲かせる『センニンソウ』などをセンニンソウ属を呼ぶそうですが、一般にはクレマチスと呼ばれているそうです。クレマチスと聞くとああそれという方も多いのではないでしょうか。園芸種としてもさまざまな色の花があると思うのですが、『カザグルマ』はそれら園芸種の原種にあたる花、つまりは祖先なんですね。
カザグルマ花茎.jpg
3.茎について
 『カザグルマ』はつる性植物です。ただ私が出会った『カザグルマ』は急斜面の草地に生えていたため、茎が草の中に埋もれどこが根元なのかさっぱりわかりませんでした。上の画像は花の周りを写しています。茎は地上を這い、そこから葉の柄が伸びて、葉がでます。そして同じ場所から花茎が伸びて、花を咲かせていました。私の印象では茎の先端に花がつく感じです。茎はだらだらと斜面を這っていましたが、花は上向きに開くので、目立ちました。
カザグルマ葉.jpg
4.葉について
 上の画像のように、茎というよりは葉の柄(葉柄)が他の植物に絡み付いて、伸びていくという感じでした。葉は3つに分かれていました。上の画像で、一緒に写っている円錐形はつぼみです。
カザグルマ蕾2.jpg
5.花について
 上の画像はさらに、色づいたつぼみです。ちょっとミックスのソフトクリーム?その日は暑い日でした(^。^)。
カザグルマ花開く.jpg
上の画像では、くるくるっと結ばれいていたつぼみがほころび、花が開いてきました。こんな瞬間も好きです。
カザグルマ花.jpg
 ようやく花が開いた画像です。花はかなり大きいです。白く大きな花びらに見えるのは、じつは萼片でした。花弁はありません。キンポウゲ科では『スハマソウ』『イチリンソウ』『ニリンソウ』のように萼片が花弁の代わりをしている花がよくありますね。萼片は8枚でした。図鑑「野に咲く花」によると、中国原産のテッセンは萼片の枚数が6枚で花の大きさもやや小型だそうです。

 花を近づけると匂いがしました。なんというか、ちょっと変わっているのかな。甘くもなく、きつくもなく。
カザグルマ花裏.jpg
花の裏側です。『ヘビイチゴ』や同じキンポウゲ科の『ウマノアシガタ』で見られたような、緑の萼片が見えませんね。なぜなら、この白い花びらが萼片だからでした。ちょっとヤマユリにも似ているなあって思いました。そう、ヤマユリも‥、話が飛びそうなので、今日はここまで。
カザグルマ雄しべ雌しべ1.jpg
 花の中央部分を拡大してみました。ここだけ見ると、ちょっとイソギンチャク?にも見えます。
さて、白い大きな花の中で、この紫は良いアクセントになっていると思います。これは雄しべです。このようにたくさんあるんですね。画像のように、雄しべは外側から順々に広がっていきます。紫の部分に白くついている粉が花粉です。そして、花の中央部の白く顔をのぞかせているのが、雌しべです。じつはこの花、やや終わりかけなので雄しべが広がっていて、雌しべがようやく見えました。
カザグルマ花2.jpg
6.おわりに
 花を手のひらに乗せてみました。大きいですね。『カザグルマ』は日本の野草の中では花が一番大きいのだそうです。それで今日のお題「大輪という言葉はあなたのために」でした。画像のように、花びら(萼片)はやや透き通るような薄さです。大輪だけど繊細なところが人気のあるところなのでしょう。
 美しい花をまたひとつこのブログに載せることができました。
 画像が多くてすみません。2回に分けても良かったのですが、2回に分けられない理由は‥
 ヘビイチゴの続きは次回!
カザグルマ全体2.jpg

posted by ふらり at 21:21| 千葉 ☁| Comment(11) | TrackBack(0) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月05日

ハマナシ (1) 暑さに耐えて咲いてくれました。

千葉県の九十九里町には『ハマナシ』の自生地があり、日本の南限地!だそうです。私は『ハマナシ』を見たことがないので、雨の合間を縫って出会いに出かけました。
 
ハマナシ(浜梨) 別名ハマナス
バラ科バラ属
 
私が出会ったのは‥千葉県 5月 海辺近くの砂地

千葉県評価:一般保護
 
ハマナシ花全体.jpg
1.名まえの由来
 図鑑「樹に咲く花」によれば、果実をナシにたとえた浜梨、そして別名は東北弁でなまってわーい(嬉しい顔)『ハマナス』という説のほかに、ナスにたとえて浜茄子という説もあるそうです。私が出会ったときは果実はなかったのですが、図鑑に載っている朱色の丸い果実を見る限り、梨にも茄子にも見えませんね〜。まだトマトに似ているかな。なのでハマトマト(^。^;)?
 
2.出会った環境
 私は「千葉県植物誌」という図鑑を見ていて、千葉県で『ハマナシ』に出会えることを知りました。そして、九十九里町のホームページのタウン情報、観光スポットという場所にその場所の案内がありました。行ってみると、九十九里の有料道路と民家に挟まれたちょっとした砂地に縄で簡単に囲われた場所に咲いていました。私が行ったときはほかには誰もいませんでした。
ハマウツボ全体.jpg
3.全体
 高さは1〜1.5mです。上の画像でもわかりますが、意外と背が低い樹です。そのおかげで花を身近に見ることできました。
ハマナシ葉1.jpg
4.葉について
 上の画像のように、葉は羽状複葉で、先にひとつあるので、小葉の数は必ず奇数になります。そして、葉の基部には黄緑色の葉がもう一対ついています。これは托葉と呼ばれます。上の画像には花の後も見えますが、花の基部にも托葉が見えます。花も葉も同じですね。
ハマナシつぼみ.jpg
5.つぼみについて
 つぼみは葉と同じ場所から生まれています。萼片の先が見えていますね。それから、バラの仲間だけあって、茎にがとげがたくさんあります。
ハマナシ蕾.jpg
 上の画像はもう少しつぼみが膨れてきて、花が見えますね。おもしろいなと思うのは、萼片の先をよく見ると、ちっちゃな葉っぱ!に見えますよ(*^_^*)。「身近な植物から花の進化を考える」という本には、萼片と葉は近いことが書かれていました。つまり萼片は葉から進化したものなのでしょう。それを示す証拠のひとつが上の、『ハマナシ』の萼片の先の葉になると思います。
ハマナシ花.jpg
6.花について
 花は大きくて鮮やかなピンクです。花びら(花弁)は5枚です。中央の多くの雄しべが金色のアクセサリーに見えるくらい、鮮やかでした。花の匂いはバラ特有の匂いです。ただとてもよい匂いというわけではありません。同じバラ科で海辺に咲く『テリハノイバラ』の方が好きな香りです。
ハマナシ花2.jpg
花を横から見ると、おわん状になっており、花の大きさを改めて感じます。いい花ですね。
ハマナシ花後.jpg
 花の後です。花の下に見えるのが、果実となる部分なのですが、果実はまだありませんでした。
 
7.おわりに
 『ハマナシ』の南限が千葉県にあるのはうれしいことです。花の鮮やかさと海辺の花ということで、なんとなく南の花だと思っていたのですが、勘違いでした。また初めての出会い。うれしかったです。
 次回は『ハマナシ』と一緒に出会った虫です。おまけということで。
posted by ふらり at 20:00| 千葉 ☁| Comment(5) | TrackBack(0) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月07日

ナワシロイチゴ (1) 花開いたの?

まだバラ科が続きます。最後は私が一番好きな花を紹介します。
ナワシロイチゴ全体.jpg
ナワシロイチゴ (苗代苺) 別名 サツキイチゴ(皐月苺)
バラ科キイチゴ属

私が出会ったのは‥千葉県 5,6月 草地
千葉県評価:保護留意
 
1.名まえの由来
 『ナワシロイチゴ(苗代苺)』は稲の苗代の時期(6月)に実が熟すことからだそうです。ただ千葉県の苗代の時期は今は4月でしょうか。だいぶ違いますね。昔はもっと遅かったのでしょう。また別名の『サツキイチゴ(皐月苺)』も同じような意味で、苗代の時期の6月は旧暦の5月、5月は別名皐月ということからきているそうです。
 
2.出会った環境
 数箇所で出会っていますが、いずれも草地です。ニワゼキショウやシロツメクサのような背の低い花が咲く芝生周りの草地というよりは、この時期かなり草が繁茂しているような場所です。いずれにしても日当たりがよい場所が好きなようですね。
ナワシロイチゴ全体2.jpg
3.高さ
 上の画像のように、地面すれすれに咲いていました。『ナワシロイチゴ』は一応樹木です。でもつる性で横に這うように伸びるので、上の画像のような感じになります。先に書きましたが、この時期ややもすると草の丈も結構高くなっているので、『ナワシロイチゴ』も隠れがちかなと思うのですが、そこはつる性の利点を生かして、上に上がってくるわけです。つる性植物と聞くと、フジ(藤)のように樹木に絡み付いて、高い場所で花を咲かせるというイメージがありますが、この『ナワシロイチゴ』はぜんぜん違う使い方で、なんと樹木のくせに草やほかの低木に絡んで上に這い上がるのですから、不思議な樹木です。しかも這い上がったといっても相手も低いので、高さは膝丈程度でしょうか。なんか変な努力なのかな(^_^)。
 ただし、たまたま金網などがあると少し高いところまで登ってきます。
ナワシロイチゴ葉.jpg
4.葉について
 葉は『ハマナシ』と同じ羽状複葉です。ただ複葉といっても3枚が普通なので、枚数は『ハマナシ』(←クリック)とはだいぶ違います。一枚一枚が丸っこいので、かわいい感じです。
ナワシロイチゴ茎.jpg
5.茎について
 『ナワシロイチゴ』もバラ科ですので、茎にはとげがあります。ちょっと注意が必要ですね。また葉の元には托葉が2枚ありました。『ハマナシ』の托葉は幅広いものでしたが、こちらは細いので、だいぶ異なります。
 
 さあ、次は花!ですけど、次回(←クリック)へ〜。
posted by ふらり at 23:59| 千葉 ☁| Comment(2) | TrackBack(1) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月09日

ナワシロイチゴ (2) ビロードの中に宝石ひとつ

この記事は続きです。最初の記事はこちら(←クリック)です。
今回の主役は‥
ナワシロイチゴ (苗代苺) 別名サツキイチゴ(皐月苺)
バラ科キイチゴ属

私が出会ったのは‥千葉県 5,6月 草地
千葉県評価:保護留意
ナワシロイチゴ花1枚.jpg
今日の一枚はこれです。ビロードのような輝きを持った萼片の中に宝石がひとつ。この花は花びら(花弁)と萼片の、色と材質?のコントラストが美しいと思うのです。
 萼片は裏に隠れて、花弁が美しいのは普通ですね。萼片が花弁と同じように美しい花はあります(ユリ科、アヤメ科など)。花弁をなくして萼片が花弁の変わりに美しい花もあります(カザグルマなどキンポウゲ科)。でも萼片は萼片、花弁は花弁、それぞれ個性を出して且つ、全体として美しい花はなかなかないのでは?
 
  それでは、お花について見ていきましょう。
ナワシロイチゴつぼみ.jpg
1.つぼみについて
 上の画像はつぼみです。つぼみの下にも托葉が2枚ありました。それと、萼片の先はやっぱり小さな葉っぱがありましたよ(^^♪『ハマナシ』と同じですね。『ハマナシ』の記事はこちら(←クリック)です。
ナワシロイチゴつぼみ2.jpgナワシロイチゴ花1.jpg
 上の画像は花開く、いやいや萼片が開いていく画像です。画像はサムネイルなので、クリックすると拡大します。これを見るとよくわかるのですが、つぼみの状態から花弁は立ったままです。つまり花弁は、萼片が開いてもつぼみのときと同じ状態で満開のときを迎えるのです。
ナワシロイチゴつぼみ3.jpgナワシロイチゴつぼみ4.jpg

 萼片はいっせいに開いていくものばかりではありませんでした。左上はちょっと覗いてみようかな(^^♪。右上はヘルメット?画像はサムネイルなので、クリックすると拡大します。
 
2.花について
 萼片が開いたところで、お花の説明を。
ナワシロイチゴ花仕組み1.jpgナワシロイチゴ花仕組み2.jpg

 花が満開?の状態では萼片は反り返ります。萼片と花弁はいずれも5枚。花弁は萼片と萼片の間に配置されています。『ヘビイチゴ』と同じですね。『ヘビイチゴ』の記事はこちら(←クリック)です。

 花の匂いは?鼻を近づけないと香りません。匂いはとてもおもしろいと感じました。バラ特有の匂いというよりは‥なんと言ったらいいか、そう、バニラの甘〜い香りといったらいいのでしょうか。少し鼻につく香りです。一度かいでみてくださいねるんるん
 さて、一番の特徴はやはり花弁ですね。花弁は開かずに、立ったまです。それと、花の上に見えているのは雌しべです。雄しべは花弁の隙間から見えますが、雄しべの先の葯は花弁の先からは出ていません。この雄しべの葯について他の花を見てみましょう。

ナワシロイチゴ雄しべ1.jpgナワシロイチゴ雄しべ2.jpg
 左上の花では花弁と花弁の隙間から雄しべの葯が1本だけ覗いています。また、右上の花では雌しべと一緒に雄しべの葯も花弁の先から顔を出しています。右上の花は花弁の色が薄くあせているので、どちらかというと、花も後半のような気がします。
ナワシロイチゴ+カミキリ1.jpgナワシロイチゴ+カミキリ2.jpg
 さて、虫はこの花のどこに魅力があるのでしょう。観察した当日は残念ながら蝶や蜂がおらず、出演を了解してくれたのはツヤケシハナカミキリ?だけでした。ハナカミキリの仲間は花粉や蜜が好物です。どこにあるのか見ていると、左上は花粉を食べている様子です。花弁と花弁の間に隠れているので顔を突き出して食べているようです。蜜は雄しべの付け根でした。と撮影をしていると、にらまれちゃいました(^^♪。
 
3.花の後
 満開の後はどうなるのでしょう。下の画像はサムネイルです。クリックすると拡大します。
ナワシロイチゴ花後1.jpgナワシロイチゴ花後4.jpg
 上の画像のように、花弁は最後まで開かずに落ちてしまいました。花弁がなくなると雄しべがはっきり見えますね。

 

4.ちょっと考えてみました。
 『ナワシロイチゴ』はなぜ花弁を立てたままなのでしょう。図鑑には書いていなかったので、勝手に(^_^)考えてみました。花弁を立てたことによる特徴は上にも書きましたが、花開いた当初は雄しべが花弁の裏に隠れているということです。つまり最初は雌しべのみが外に見えていることになります。ここから3つの考えを。
(一つめひらめき) 
 これは雌しべの成熟する時期と雄しべの成熟する時期を意識的に変えているのでは?と考えてみます。花は遺伝子の多様性から同じ花の花粉との受粉(自家受粉)を避けて他の花の花粉との受粉を優先したいと考えています。ところが、普通の花には雄しべも雌しべもついているわけですから、自家受粉の危険性はあるわけです。そこで、花によっては同じ株の花粉では受精しない仕組みを持っているものもあるそうですが、他に雄しべと雌しべの成熟時期を変える花があります。私が気づいた花としては、夏の高原を飾るヤナギランと秋の代表的な花ゲンノショウコです。いずれも花が開くとまず雄しべが花粉を出します。その後、雌しべの先が開くといった感じです。初めはゲンノショウコの花ってなんか違うのがあるなと思ったところから気づきました。「身近な植物から花の進化を考える」には他にホタルブクロが紹介されていました。ところが、『ナワシロイチゴ』は雌しべが先に思えるので、ゲンノショウコなどとは逆ですね。「写真で見る植物用語」という本には雌しべが先に成熟する花として、オオバコ、スズメノヤリ、セイバンモロコシが紹介されていました。あれ?いずれも風で花粉を運ばせる風媒花でした。確かに、雌しべが先に熟す花だと、花粉を食べに来る虫には人気ないよなあ‥。だから虫に花粉を運ばせる虫媒花は雄しべが先に熟すのかな。そうすると、『ナワシロイチゴ』も虫媒花なので、この考え方はだめかなあ。
(二つ目ひらめき
 雄しべは成熟しているけれど、隠している。すると、『ナワシロイチゴ』に来る虫たちは食べ物である花粉を得るためには、花弁をどけるかその中に顔を突っ込むなどちょっとした工夫が必要になります。その作業をやるときにもともと体についていた別の花の花粉が雌しべの先につく。といった工夫をしているという考えはどうでしょう。つまり、雄しべの花粉に虫がたどり着く前に、ひと手間かけさせることにより、自然と先に雌しべに虫の体を触れさせるというわけです。この考えが成り立つには、本当に虫、特に花が来てほしいと思っているハナバチたちがそういう風に花で行動するのかを見る必要があるのですが、残念ながら、私が出会った日はハナバチは止まっていませんでした。上で載せたツヤケシハナカミキリのような小さい虫ではいずれにしてもだめですね〜。
(三つ目ひらめき
 今まで出てきたバラ科の花と比べて『ナワシロイチゴ』の花の特徴は、花弁が開かないことのほかに、花が比較的小さく、花弁も小さいことも挙げられます。さて、花弁の大きな役目は、虫にここに花があるよ!というアピールだと思います。花弁が小さいと広げるよりは、まとめたほうが虫に対してわかりやすいアピールになるという考えです。さあて本当でしょうかね?虫に聞かなきゃわからないか(+_+)。とりあえず、花弁が開いた花をご覧に入れますので、皆さんはどちらがアピールポイントが高いと思いますか(^^♪。
ナワシロイチゴ花開く.jpg
 =^-^=うふっ♪もちろん右上の花は、私が花弁を付け足した画像です(^_^;)。私個人の感想では、左上の花弁をまとめて立たせたほうが、他の花と見た目が違うので、それだけで虫に対するアピールになると思いますよるんるん


 さあ、どれなんでしょうね。とここまで書いておいてなんなんですが、『ナワシロイチゴ(1)』の記事にトラックバックくださった、かえで☆さんのナワシロイチゴの記事(←クリック)を拝見していたら、花の開きかけの時期から雄しべの葯が見えている花の画像が載せてありました。あれれ、いままで考えていたことは‥。

結局どれでもなく単に『ナワシロイチゴ』の趣味の問題?もしご存知の方がいらしたら、教えてください。
 

 『ナワシロイチゴ』は他のバラ科の花と違うと書いてきましたが、図鑑「樹に咲く花」を見ていたら花弁を開かない花は同じバラ科でも他にもありました。私のリンク集で紹介させていただいているmotoさんのホームページ「下を向いて歩こう」(←クリック)では、エビガライチゴが紹介されています(2006/6/9時点)。ナワシロイチゴと同じような考えを持ったお友達もいるんですね。
ナワシロイチゴ花後3.jpg
 最後に問題?画像です。上の花たちは見るからにもう花弁が散った後です。あれ?あんなに反り返っていた萼片がまた元に戻って閉じている??そういえば、同じバラ科の『ヘビイチゴ』(←クリック)でも同じような現象がありましたね。『ナワシロイチゴ』もおなじように、果実が熟すまでは萼片が閉じているのでしょうか?同じキイチゴ属の『クサイチゴ』(←クリック)を見ていた時は気づきませんでしたが、どうなのでしょうね。
 じつは、実の画像は過去に撮影しているのですが、味見るんるんの結果を忘れてしまったので、味見できたときに、また続きを書いてみようと思います。
 次回は『ナワシロイチゴ』の花いろいろです。

posted by ふらり at 22:30| 千葉 ☀| Comment(11) | TrackBack(0) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月11日

ナワシロイチゴ (3) かわいさだけでなく少しだけ華やかに

この記事は続きです。最初の記事はこちら(←クリック)です。
 
ナワシロイチゴ (苗代苺) 別名サツキイチゴ(皐月苺)
バラ科キイチゴ属
私が出会ったのは‥千葉県 5,6月 草地
千葉県評価:保護留意
ナワシロイチゴ花いろいろ1.jpg
 『ナワシロイチゴ』は花びら(花弁)が立っているのですが、上のように花弁一枚一枚が大きくて、お互いがぶつかってひらひらはみ出ていました。ちょっと華やかです。
ナワシロイチゴ花いろいろ2.jpg
 撮影していたときは気づいていませんでしたが、あれあれ?花びら(花弁)の枚数が5枚よりも多いですね!ちょっと、うふふっ(*^_^*)です。
ナワシロイチゴ花いろいろ3.jpg
 この花はなにが変?
 よく見ると白い萼片が6枚ですよ。花弁は?近づいて数えてみたら5枚でした。
 
 こんなに小さな花でも、よく見ていると個性がありますね。こういう個性を見つけると、私はもっとその花が好きになります。
おしまい。
posted by ふらり at 20:49| 千葉 ☔| Comment(6) | TrackBack(1) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月22日

ムララキツメクサ (1) いちごのかき氷はいかが?

 しばらく空いてしまいました。。じつは私のパソコンのシステムが故障してしまいました(ToT)/。システムのリカバリーは終わったのですが、大事なものが消えてしまいました〜。
 ここからは愚痴です〜。読み飛ばしたい方は下の次項有の場所へすぐ行ってくださいね(^_^;)。
 まずメール関連のすべて。まあ携帯にもアドレスは入っている場合が多いので、なんとか大丈夫。
 約16,000枚の大切な画像は別のハードディスクに移してあるので、大丈夫でした。ほっとしたのもつかの間、撮影画像に関する大切なデータが消えてしまいました(ToT)/~~~。私はPhotoshop elementsで撮影画像を整理していました。各画像に次のような項目で整理したんです。
・撮影した場所(例えば、高尾山の裏高尾の小下沢林道など)
・撮影した環境(例えば、日のあたる林縁、斜面など)
・被写体の名まえ(例えば、スミレ科エイザンスミレなど)  です。
 これがあると、この花にはいつどこで、どんな環境で出会ったっけ?と思ったときにすぐわかるのです。また種別で整理しているので、このブログを書く際も、この花の画像だけを全部見て編集しようということが結構簡単にできるようになりました。この整理は、昨年体調を崩していたときに、暇を見つけてこつこつやっていたもので、最近は、忘れないうちと言うことで、なるべく撮影した当日に整理をしています。と言うようにとても大切なデータなのに、バックアップを取っていたつもりがとっていなかった〜。間抜けですね〜。てっきり上のようなデータは画像ファイルに書き込まれていると思い、画像ファイルのバックアップを取っておけば大丈夫と勘違いして、じつは別にカタログファイルと言うのがあるのをぜんぜん気づいていませんでした。初心者です。。
 システムリカバリー完了!画像ファイルも安全!と言うことで、よかった!と思っていたら、えっ‥。こんなことで茫然自失状態が続き、ブログ作成が滞りました。
 とりあえず、再整理は1年以上かけて細々とやっていくとして、ブログの作成には最近撮影した画像だけでなんとか頑張ってみます。
 
次項有ようやく再スタート〜。
 今日の主役は‥
ムラサキツメクサ (紫詰め草) 別名:アカツメクサ(赤詰め草)
マメ科シャジクソウ属

私が出会ったのは‥5,6,7,8,9,11月 千葉県 草地
千葉県評価:一般有害
ムラサキツメクサ全体.jpg
 とてもかわいい花で、私は大好きな花です。こんもり盛ったいちごのかき氷をすぐに連想してしまいます(^。^)。
 1.名まえの由来
 まず、シャジクソウ属のシャジクソウて何でしょう?私は知りませんでしたので、図鑑「山に咲く花」で調べると、山地に咲く花であるんですね。小葉が車軸のように生えるからだそうです。
 図鑑「野に咲く花」によると、同じシャジクソウの仲間の『シロツメクサ(白詰め草)』は、江戸時代にオランダからガラス器を送ってきたとき、壊れないように乾燥したシロツメクサを詰め物にしたところから名づけられたとありました。『ムラサキツメクサ』は『シロツメクサ』と一見似ていて、花の色が赤紫と言うことでしょうか。私は図鑑でこの花の名前を知るまでは、別名の『アカツメクサ』と呼んでいたと思います。特に子供のころは『アカツメクサ』って言っていました。でもこの花の色って、でもなく、でもなく、いうなればピンクですよね。もちろん「ピンクツメクサ」はだめなんでしょうけど。

 そういえば、このからにかけての色の花の名まえは結構さまざまです。
 まずは紫がつく花は‥(画像はすべてサムネイルです。クリックすると拡大します。)
ムラサキカタバミ花色比べ.jpgムラサキケマン花色比べ.jpg
ムラサキカタバミ(カバタミ科)
5月ごろから出会いますね。でも上の画像は11月撮影でした。色が濃い花で、私の印象では赤紫に近いのかな。
ムラサキケマン(ケシ科)
4月ごろ出会いました。さらに紫色っぽい感じがします。
ムラサキサギゴケ花色比べ.jpgムラサキニガナ花色比べ.jpg
ムラサキサギゴケ(ゴマノハグサ科)
4月ごろ出会いました。これも紫で納得です。
ムラサキニガナ(キク科)
7月に出会いました。これも紫かな。 
 赤がつく花は‥
アカバナユウゲショウ花色比べ.jpgアカバナユウゲショウ(アカバナ科)
5月ごろ出会いました。
ピンク!という感じですね。
 あっそうそうピンクは日本語では桃色です。桃色がつく花は‥
ウ花色比べ.jpgモモイロキランソウ(シソ科)
千葉県では出会っていません。5月に富士山西側で出会いました。キランソウは紫色ですが、紅紫色の花の株をこう呼ぶそうです。
いい色ですね。
 紅紫色で思い出しました。紅がつく花は‥
ベニバナボロギク花色比べ.jpgベニバナボロギク(キク科)
8月ごろ出会いました。
紅色というとこんな色?
 という感じで、いろいろ並べてみました。まだ他にもあると思います(たとえばセンボンヤリの別名はムラサキタンポポ)が、ぱっと思いついたのがこれくらいでした。どうでしょう?もちろん花一輪一輪で、色合いも異なると思いますが、上の花の画像でいうと、
 「ムラサキ」がつく花は紫色はもちろん、赤紫程度まで含まれる。「アカ」がつく花は真っ赤よりは濃いピンク。「モモイロ」がつく花はまさしく桃色、柔らかい色合い。「ベニ」がつく花は赤というよりは朱色系、という感じでしょうか。
 すると『ムラサキツメクサ(別名アカツメクサ)』はどうでしょう。「ムラサキ」よりは明るい感じなので、どちらかというと「アカツメクサ」の方がぴんとくるかな〜。「モモイロツメクサ」でもいいけど、桃色よりは色がはっきりしているな‥、と考えてたら、「モモイロシロツメクサ」なんて花があるのでした。
モモイロシロツメクサ花色比べ.jpgモモイロシロツメクサ(マメ科)
5月ごろ出会いました。
2005年に初めて出会って、その時は色合いの違うシロツメクサだなあって思っていたら、今年になってきちんと名前があることを知りました。白が基調なので、こちらのほうが「モモイロ」がふさわしいかな。
 加えていうと、千葉県植物誌には「ベニバナツメクサ」というのも載っていて、見たことはありませんが、花の色はオレンジ−朱色系でした。なんだ、私が考え付きそうな花の名まえはもうすでに先約済みでした。
 

 なんか今回は『ムラサキツメクサ』というよりは色の話で終わってしまいました。前途多難!
 最後に、『ムラサキツメクサ』の県評価は一般有害!。どうも海外原産の植物はだいたい一般有害のようで、このシャジクソウやウマゴヤシの仲間はそろって一般有害でした。。

 次回はこちら(←クリック)です。

posted by ふらり at 06:09| 千葉 🌁| Comment(10) | TrackBack(0) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月23日

ムラサキツメクサ (2) いちごのかき氷はいかが?

この記事は続きです。最初の記事はこちら(←クリック)です。
 
ムラサキツメクサ(紫詰め草) 別名:アカツメクサ(赤詰め草)
マメ科シャジクソウ属

私が出会ったのは‥千葉県、5,6,7,8,9,11月 草地
千葉県評価:一般有害
ムラサキツメクサ茎.jpg
1.茎と葉について
 『ムラサキツメクサ』の茎は直立傾向にあります。といってもまっすぐ立つというよりは、根元から斜め上に伸びていくという感じです。その上に花をつけるので、茎が地を這う『ゲンゲ』(←クリック)や『シロツメクサ』よりも背が高い印象です。茎や葉や花まで細かい毛が生えています。
 葉は3枚の小葉が1セットです。これは『シロツメクサ』と同じですね。ただ茎が地を這う『シロツメクサ』は葉を高くするために葉柄(葉と茎とをつなぐ部分)をひょろひょろっと伸ばしていますが、茎自体が直立する『ムラサキツメクサ』はそんなことは必要ないので葉柄は短いです。葉の形も同じ3枚とはいえ、『ムラサキツメクサ』の葉は一枚一枚がやや細長い感じです。葉にはV字形の斑紋があるものが多いです。花だけ見ると『シロツメクサ』や『ゲンゲ』と似ていますが、茎や葉はだいぶ異なります。
 
2.花について
ムラサキツメクサつぼみ1.jpg
 上の画像は茎の先を見てみました。葉の葉柄には膜状のものがついていました。私の持っている図鑑には書いていないのではっきりしませんが、おそらく托葉だと思います。この托葉に包まれるような感じで顔をのぞかせているのが、つぼみと新しい葉っぱです。托葉には新しいつぼみや葉を保護する役目もあるんでしょうかね。今まで花しか撮影していなかったので、托葉に気がついたのは今年からです。結構大きいし、ストライプの柄が目立ちます。
ムラサキツメクサつぼみ2.jpg
 上の画像のように、托葉は2枚です。これはバラ科の『ハマナシ』(←クリック)でも同じでしたね。ムラサキツメクサ花開く1.jpg
 つぼみから花が開いて‥というよりは花が伸びて!きましたよ。上の画像のように花は球状にまとまって咲くのですが、下から咲いていきます。といっても一番上が花開くときまで、下の花も咲き続けているので、かき氷てんこ盛り!になるのですね。下から咲き始めるといっても、きちんと360°同じ速度で花前線が上昇するわけではなく、上の画像のように、結構偏りが見られました。陽当たりのせいなのか個性なのかは不明ですが、ちょっとおもしろいです。
 あっ上の画像の葉にはV字形の斑紋がありませんでした。

 でもちゃんと360°均等に咲いていかないと‥
ムラサキツメクサ花2.jpg

 ほらほら言わんこっちゃない。こんな端っこに花の頂点が来てしまいましたよ(^_^;)。でも人のつむじもいろいろなところにありますから‥、あっ決してつむじ曲がりと言っているわけではありませんよ(~_~;)。
ムラサキツメクサ花開く2.jpg
 花開いてきましたね。花は開くと横というか、外側に広がります。上の画像では、下側の花は外側に広がって、上の方の花はまだこれからという感じですね。
ムラサキツメクサ花1.jpg

 さあ、花満開です!かわいい花(*^_^*)。こんもりまとまった花のかたまりとしてもよいのですが、このようにひとつひとつの花もとてもかわいいのです。巣で親鳥の帰りを待って口を大きく開けている子鳥たちにも見えますよ(*^_^*)。

 花の説明を上の画像でしようと思いましたが、書き込むのがもったいないので、もっと拡大した画像をもう一枚。
ムラサキツメクサ花11.jpg
 『ムラサキツメクサ』も『ゲンゲ』(←クリック)と同じマメ科なので、蝶形花です。一枚大きな旗弁は、虫にアピールするための役割を持っています。虫に蜜の位置を知らせるデザインを蜜標と言うんでしたね。『ムラサキツメクサ』の蜜標は小さい花ということもあるのか、ストライプとシンプルです。
 真ん中のピンクは舟弁で、実は左右2枚の花びらが合わさっています。その外側に開いている白い花びら2枚は翼弁といいます。よかったら『ゲンゲ』の記事を見てください。花が大きいので、もう少しわかりやすく書いていますよ。
 翼弁はよくみると、うねっているので、ふと見ると蝶々みたいに見えます。実はマメ科の花が蝶形花と知って、『ムラサキツメクサ』の花を見て、そうか!なんて思ったのですが、じつは違うのですよね。蝶形花の意味はこちら(←クリック)へどうぞ。
 つぼみで長い毛のように見えていたのは、じつは萼片でした。さて『ゲンゲ』の記事に萼片がくっついたものを萼筒と言いますと書きましたが、『ムラサキツメクサ』は萼片なの?私もよくわからなくなりましたが、用語を調べてみると、萼筒でも先がとがっている部分は萼裂片とか萼片と呼ぶそうです。なんだか‥。
ムラサキツメクサ花4.jpg
 もう少し、萼のところをわかりやすく見てみたいと思い、仕事場の敷地に咲いていた花を少しいただいて、お部屋で撮影してみました。長く伸びた萼片の根元は合わさって、萼筒になっていました。
ムラサキツメクサ花終わり11.jpg
 ようやく花も終わり、葉も一緒に枯れていました。
ムラサキツメクサ花終わり2.jpg
 この画像もお部屋画像です。萼片が5つに分かれているのがわかります。
ムラサキツメクサ花終わり3.jpg
 小さな花ひとつを抜いてみました。こんな風になっているのですね。白い部分に種ができるのでしょうか。そっと開いてみましたが、まだ若いせいなのか、種はありませんでした。
 今回はなんか説明で終わってしまいました。自分で観察しながら書いているので、疲れた〜。
 次回(←クリック)は花のつき方への疑問を観察する予定です。そして、一番書きたかったことはその次かな〜。先は長い〜。

posted by ふらり at 21:55| 千葉 🌁| Comment(5) | TrackBack(0) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月25日

ムラサキツメクサ (3) いちごのかき氷はいかが?

この記事は続きです。最初の記事はこちら(←クリック)です。
 
ムラサキツメクサ(紫詰め草) 別名:アカツメクサ(赤詰め草)
マメ科シャジクソウ属
 
私が出会ったのは‥千葉県、5,6,7,8,9,11月、草地
千葉県評価:一般有害
ムラサキツメクサ花5.jpg
 『ムラサキツメクサ(1)』の記事(←クリック)に寄せていただいた、おととさんのコメントに、この花は「桃割れのくすだまの髪飾り」のイメージとありました。私、これを読んでなんとなく想像ついた気がしたのですが、よくよく考えると桃割れって?桃太郎と関係があるの?なんだかわからないと思って、インターネットで画像を調べてみました。すると、「桃割れ」とは、日本髪の髪型のひとつで、髷(まげ)を二つに分け、割った桃のように丸く輪に結ったもので、少女の髪型のひとつとありました。下にかつらの画像が載っているホームページを紹介しますが、そこに、上から見た画像があって、なるほど!桃太郎とは大違い(-_-;)。。七五三や成人式などで振袖を着るときの髪型なんですね。
株式会社アズマ 日本髪の変わり髷
http://www.azmjp.com/catalog/nihongami/mage.html
 そして、「くすだまの髪飾り」も検索してみると、薬玉かんざしという画像がありました。おととさん、かわいらしいですね(*^_^*)。上の画像は髪飾りに使えますか?
 
 さて、今回は花のつき方について、私がふと疑問に思ったことを書きます。
【その1】
 自分で撮影した『ムラサキツメクサ』の花の画像を見ていると、上の画像のように、花の両側に3枚の小葉が開いているものが多いです。もちろんその形がバランスがいいので好んで撮影しているということもあるのですが、『ムラサキツメクサ』の葉は交互に生えるのですよね。花のところだけなんで両側に一緒に生えているのかなって思ったんです。
ムラサキツメクサ花6.jpg
 ということで、真横から撮影してみました。両側の葉の托葉が右側が下になっていますので、右側の葉が先に生えたのでしょう。やっぱり葉は交互に生えているようです。それにしても、かわいらしい花で隠れてしまっていますが、花の下の襟元もストライプのちょっとしたおしゃれをしているのですね(*^_^*)。
 
【その2】
ムラサキツメクサ花双子1.jpg
 こんな花を見たことありませんか?まるで双子のようなお花です。私は2005年にはじめて出会って、変な形の花もたまにはあるんだな〜って思っていたのですが、今年になってよく見ると結構たくさんあることに気づき、特別なものではないの、じゃあどうして?って。二つの花がくっついているの?ひとつの花が二つの山に分かれたの?って。
 上の画像をよく見ると、二つの花の塊の境目は両方の花が向かい合って咲いていることに気がつきます。さてどうなんでしょう。二人の間を引き裂くのはかわいそうなので、他の花を見てみました。
ムラサキツメクサ花双子2.jpg
 あらあら、お母さんの足に小さな子供がしがみついて(*^_^*)。さっきの画像のように、両方の花とも一緒に咲いているのもあれば、上の画像のように、ひとつはまたつぼみの状態のものもありました。よくみると、葉も右側の葉の方が大きく、左側はまだ開きたてという感じです。なんかわかってきましたね。
ムラサキツメクサ花双子3.jpg
 もうちょっとわかりやすくなりました。最初に葉も交互に生えると書きましたが、花も一緒でした。上の画像だと、まず「葉A」の根元から茎が出て、それから「花A'」と「葉B」が枝分かれします。そして「葉B」の根元から「花B'」が咲くという感じでしょうか。
ムラサキツメクサ花双子4.jpg
 上の画像は更にわかりやすいですね。「葉A」の根元から伸びた茎が結構長くなって、「花A'」と「葉B」の枝分かれがよく見えました。ただ茎が伸びた分、花の両側に葉があるという感じにはなっていないのが、おもしろいです。
ムラサキツメクサ花双子5.jpg
 ああこれで、「葉A」「花A'」と「葉B」「花B'」の二組に完全に分かれました。こうなると自然です。本来の姿はこんな感じなのでしょう。つまり、「双子の花」はひとつの花が分かれたのではなく、順々に咲いている花の間の茎が短くて、一緒に咲いているように見えるということでした。それにしても上の画像のように茎がみんな伸びるのかというと、双子の花を結構見かけるし、双子のまま花が散っているものもあったので、茎を伸ばすか伸ばさないかは結構適当なのかもしれません。もう十分伸ばしたからこの辺でいいやと思えば、一番先の花は茎が伸びないので、双子になるのかな。
ムラサキツメクサ花71.jpg
 最後に、最初の花はがんばって、花柄(先端に花がついた枝のこと)を伸ばしたけど、もうひとつの葉のほうは茎がひょろひょろだよ〜。花と葉が離れているので、ちょっと不思議と思って撮影しました。
 次回(←クリック)は雄しべと雌しべはどこに行ったの?です。
 今回コメントを紹介させていただいたおととさんのホームページはリンク集(←クリック)をご覧ください。
posted by ふらり at 20:04| 千葉 🌁| Comment(9) | TrackBack(0) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月26日

ムラサキツメクサ (4) 雄しべと雌しべ、みいつけた!

この記事は続きです。最初の記事はこちら(←クリック)です。
 
今回の主役は引き続き〜
ムラサキツメクサ (紫詰め草) 別名:アカツメクサ(赤詰め草)
マメ科シャジクソウ属

私が出会ったのは‥千葉県 5,6,7,8,9,11月 草地
千葉県評価:一般有害
ムラサキツメクサ401.jpg
 さて、『ムラサキツメクサ』の記事もこれで4本目。今までたくさんの画像を紹介していますが、上の画像は今までにない画像なんです。普通の花かって?そうなんですけど(^_^)‥、下のほうの花をよく見てくださいね。花の形が今まで見てきたお花と違いませんか?今まで見てきた花はこちら(←クリック)です。わかりました?
それでは、もっと拡大して見てみましょう。
ムラサキツメクサ402-1.jpg
 ほらね!上を向いていた翼弁と舟弁が下に倒れて、雄しべと雌しべが出てきましたよ!(^^)!大はっけ〜ん!
 今回の話は、このお花に出会ったことから始まりました。水辺の遊歩道を散策していると、『ムラサキツメクサ』がたくさん咲いていました。好きな花なので、ちょこちょこ見ながら歩いていると、
「あれ?なんか変。。」
立ち止まって、お花をよく見ると、小さなひとつひとつのお花の中心に金色の輝き。
「あ!雄しべと雌しべだ!」
初めて出会いました。『ゲンゲ』(←クリック)の記事でも、雄しべと雌しべの説明をしましたね。その時の説明では雄しべと雌しべは2枚の舟弁の合わさった中に隠れていることを書きました。花の終わりごろで、雄しべと雌しべが見える画像を載せたのですが、なぜ雄しべと雌しべが見えるのかは、そのときはあまり気にも留めていませんでした。でも、『ムラサキツメクサ』の雄しべと雌しべが飛び出している花を見つけたとき、
「これは誰がやったんだろう?自然となるんだろうか?」
って思い始めたんです。そこで、周りの花をよく見はじめると、同じような花がやっぱりたくさんあることに気がつきました。
 さて観察開始!です。上の画像をよく見ると、雄しべや雌しべが見える花は、そうでない花と比べると、翼弁と舟弁が下に倒れていることがわかります。雄しべと雌しべは立っているので、どちらかというと、雄しべと雌しべの位置にもともと翼弁と舟弁があったのだと思われます。
 その次に、翼弁と舟弁が倒れたせいで、旗弁との間にすき間というか穴が見えました。そうそう、旗弁のストライプ模様は虫に蜜の位置を知らせる「蜜標」というものでしたね。そのストライプの方向を見ればわかりますが、蜜はこのすき間の開いた奥にあるのでしたね。となると‥、蜜を吸いに来た虫がやったのかな?

 その時『ムラサキツメクサ』に遊び(^_^)に来ていたのは、チョウとハチでした。さて、犯人はだれだ!
ムラサキツメクサ403.jpgムラサキツメクサ404.jpg

 まずは容疑者二人‥じゃなかった(^_^;)、撮影しやすいチョウから。左はモンキチョウ、右はモンシロチョウです。画像はサムネイルなので、クリックすると拡大します。どちらも細長い管のような口(口吻)を伸ばして、蜜を吸っているようですが、花はそのままの形のようですね。

 ということで、チョウの仲間ではなさそうです。次はハチです。ハチは撮影するのに苦労しました。なにしろ、『ムラサキツメクサ』はたくさんの花が集まっているので、ハチは次から次へと花の蜜を集めてせっせと動き回っているのですから。チョウのように自分の食べるためだけに蜜を吸っているだけでなく、巣に持ち帰らないといけないのでしょうからね。
ムラサキツメクサ405.jpg

 たくさん撮影した中から。ハチの種類はおそらくコマルハナバチではないかなと思っています。違っていたら教えていただけたらと思います。上の画像のコマルハナバチさんは、もぐりこんでなにかしてますよ〜。
ムラサキツメクサ406-1.jpg
 隣の花に移ったところで1枚カメラ。あれ、雄しべと雌しべがでていますよ!この子かな(*^_^*)?
それと、口の位置から長い口吻を伸ばして、花に差し込んでいるように見えますね。後ろ足がオレンジ色に粉を吹いて膨らんで見えるのは花粉だそうです。コマルハナバチは毛がたくさん生えているので、これに花粉をくっつけて巣まで運ぶというわけでした。う〜ん、なんとなくこのハチが雄しべと雌しべを飛び出させているような感じなのですが、もう少しわかりやすそうなのはないかな?
ムラサキツメクサ407.jpg
あっこれはどうでしょう。お顔を突っ込んでいますよう〜(^。^)。よく見ると胸で舟弁と翼弁が押し下げられています。その瞬間、舟弁の間から雄しべと雌しべが飛び出して、コマルハナバチの胸に当たって、雄しべの花粉がついて、また前の花の花粉が雌しべの先(柱頭)につくようですね。
ムラサキツメクサ408.jpg
 蜜を吸い終わったのか、お顔を上げたところです。雄しべが飛び出しているのが見えますね!やった〜!(^^)!、これで、わかりました。『ムラサキツメクサ』の花の雄しべと雌しべを飛び出させているのはハナバチの仲間でした。というよりも、これは『ムラサキツメクサ』の作戦のようです。つまり、ハナバチが蜜を吸うために顔を突っ込むと自然と翼弁と舟弁が押し倒されて、その間に隠れていた雄しべと雌しべが飛び出して、ハナバチの胸に当たって、花粉のやり取りをするわけです。密を分け与える代わりに花粉を運んでもらうという、『ムラサキツメクサ』とハナバチとの間にはきちんとした交換条件が成り立っているようですね。このようにマメ科の蝶形花は、ハナバチの仲間に花粉を運んでもらうためにあのような形の花になったのでした。花粉のついているおしべを隠しているということは、雨からも守れますし、顔を突っ込むというような器用なことのできない、ハナアブやハナムグリのような甲虫にはえさを与えないというメッセージにもなります。そう、『ムラサキツメクサ』をはじめとするマメ科の花の蝶形花は、虫を選んでいるのです。今まで紹介してきたバラ科の花(たとえばヘビイチゴはこちら)のように、上を向いて開いている花はだれでもWelcome!でしたが、マメ科の花はそうではなく、ちょっとしたからくりを用意していて、これが解けるムシさんだけにごほうびが待っているのです。
 「身近な植物から花の進化を考える」には、花の進化のひとつの方向として、横向きの花への進化があげられています。これらの花の多くが今回の『ムラサキツメクサ』と同じくハナバチの仲間を大切なお客様と考えています。それは、皆さんも見ているとわかるように、忙しく花から花へと動き回るからです。花にとっては、花粉をつけたら早く他の花に行ってほしいんですね。それと、ハナバチの仲間はこのような花のからくりを解明する能力も高いそうです。
 さて、最初に出てきたチョウの仲間はどうなんでしょう。見ると蜜だけ吸って、花粉は体につかないようにしています。いかにも優雅ですが、『ムラサキツメクサ』にとっては、とられ損です。「Newton植物の世界 草本編」に載っている田中肇さんの論文には、チョウの仲間はしばしば花にとっては盗蜜になってしまうと書かれていました。なるほどね〜。
ムラサキツメクサ409.jpg
 今回はハナバチを追っかけまわしましたが、待ってくれないのでした〜(~_~;)。なのでこんな写真も‥。もう飛び出しちゃってるじゃん!
 さて、今度『ムラサキツメクサ』を見つけたら、雄しべ雌しべが出ている花がどれくらいあるか観察してみるのもおもしろいかもしれません。なにしろ、この花は初夏の花としましたが、じつは晩秋の11月まで出会うことができるのでした。
ムラサキツメクサ410.jpg
 上のようにたくさん開いている花があれば、その花は人気者なのですよ(*^_^*)。
おしまい。
 次は白花(←クリック)です。
posted by ふらり at 21:28| 千葉 🌁| Comment(4) | TrackBack(0) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月28日

セッカツメクサ 練乳しぐれおかわり!

季節は梅雨真っ只中、初夏の花もそろそろ終わりにします(^^ゞ。最後は爽やかに。
 
今日の主役は‥
セッカツメクサ (雪華詰め草)
別名:シロバナアカツメクサ(白花赤詰め草)
マメ科シャジクソウ属

私が出会ったのは‥千葉県 6月 草地
千葉県評価:一般有害(ムラサキツメクサとして)
セッカツメクサ1.jpg
 この花は、『ムラサキツメクサ』の白花品種です。『ムラサキツメクサ』の記事はこちら(←クリック)です。
名まえはのんママさんの野草ノートやおーばさんのホームページで紹介されていたので知っていましたが、出会ったことはありませんでした。お二人のホームページへはリンク集(←クリック)からどうぞるんるん
 前回の雄しべと雌しべに気がついた同じ日に出会うことができました。遊歩道の両側を『ムラサキツメクサ』が咲いていたので、見ながら歩いていると、突然白い花が目の前に!
セッカツメクサ2.jpg
 なんか不思議な気分です。本当に色が抜けてしまったような感じがして。不思議と魅力を感じてしまう花でした。
セッカツメクサ3.jpg
 近くには、薄いピンクの花の株も。普通の『ムラサキツメクサ』との交雑種でしょうか。
シロツメクサ比較.jpg
 こちらはシロツメクサ。色は同じでも、花の形は結構違いますね。色もなんとなく。

敢えて言うと、シロツメクサの白は色としての主張のある白、『セッカツメクサ』の白は「無色」の白でしょうか。
 
 マメ科の似たような形の花としては、クスダマツメクサ、コメツブツメクサ、ウマゴヤシ、コメツブウマゴヤシに出会いました。それも紹介するのは来年かもしれません。そろそろ初夏とはお別れ、私のブログも梅雨入りしましょう。6月中に!

おしまい

posted by ふらり at 21:19| 千葉 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 初夏の花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。